ID:47635
On the Production
by 井口健二
[460008hit]

■第65回
 因に、今回のVariety紙の記事では、原作者の手塚治虫の
業績として、“Astroboy”の他に“Kinba the White Lion”
(ジャングル大帝)と“The Phoenix”(火の鳥)が挙げら
れていた。
        *         *
 アメリカでは大ベストセラーの兆しも見せてきたダン・ブ
ラウン原作“The Da Vinci Code”の、ソニー=コロムビア
での映画化については、2003年7月15日付第43回と10月15日
付第49回で報告しているが、それと同様の中世の作品に隠さ
れた謎を巡って、現代に起きる事件を扱ったスリラー作品の
計画が、ワーナーから発表された。
 今回の作品は、“The Rule of Four”という題名で、内容
は、15世紀に書かれたHypnerotomachia Poliphiliという文
書の解読を進める4人の研究者が、そこに秘められたローマ
帝国が隠した財宝の情報を見つけ出し、それに絡む殺人事件
に巻き込まれるというもの。イアン・コールドウェル、ダス
ティン・トマスンの共著による小説の映画化権が、ワーナー
と契約されている。
 なお、この計画はまだ脚本家も未定のものだが、実は、第
43回の“The Da Vinci Code”の報告で触れたルイス・ペル
デュー原作の“Daughter of God”については、同じくペル
デューが1983年に発表した“The Da Vinci Legacy”という
作品と合わせて、製作者のマーク・バーネットが計画を進め
ることを表明しており、すでに脚本家の選考に入っていると
いうことだ。因に、ペルデューの本業は脚本家なのだが、バ
ーネットは他で選考しているらしい。
 ということで、第49回で報告したコロムビア作品(ブライ
アン・グレイザー製作、ロン・ハワード監督、アキヴァ・ゴ
ールズマン脚本)の製作は、今年の秋以降という計画だった
が、今回のワーナーの計画も含めて、これから他社の動向次
第では、時期が早まることもありそうだ。
        *         *
 2000年に公開されて、全世界で9000万ドル以上を稼ぎ出し
たと言われる“Final Destination”(ファイナル・デステ
ィネーション)の第3作の計画がニューラインから発表され
ている。
 このシリーズでは、第1作はグレン・モーガン脚本、ジェ
ームズ・ウォン監督、デヴォン・サワ主演で作られたものだ
が、2003年公開の第2作“Final Destination 2”(デッド
・コースター)に彼らはタッチせず、この作品も全世界では
7000万ドル以上を稼いだとは言うものの、ファンの目にはテ
ーマが消化不良で、かなり物足りない感じの作品だった。
 そこで、今回発表された第3作にはモーガン=ウォンのコ
ンビが復活するもので、彼らの基本コンセプトを活かした作
品を期待したいところだ。因に基本コンセプトは、第1作で
は、サワ扮する主人公が、いろいろな予兆から死神の次の行
動を察知し、それを巧みに避けて行くというもの。その理詰
めな展開が面白かったものだが、第2作ではその展開が欠け
ていたものだ。
 なお監督と脚本家は、第2作の製作時には、ニューライン
の親会社のワーナーで、ジェット・リー主演の『ザ・ワン』
を手掛けていた。また、今回のの第3作については、3Dで
撮影されるという情報もあるようだが、いろいろなものが飛
び散るこのシリーズでは、かなり強烈なものになりそうだ。
        *         *
 1970年代に“Chariots of the Gods”(未来の記憶)など
の著作で一世を風靡したスイス出身の作家エリッヒ・フォン
・デニケンが、800万ユーロ(約956万米ドル)の製作費を自
ら集めて、Imaxによるドキュメンタリー作品“World of
Mysteries”を製作する計画を発表している。
 この計画は、“The Ring of Buddha”などの作品のあるジ
ョカン・ブライテンスタイン監督とのコラボレーションで進
められるもので、計画では今年の後半から、チリのアタカマ
砂漠、ペルーのナスカ高原、メキシコのマヤ寺院、トルコの
古代遺跡、イギリスのストーンヘンジなどで撮影が行われ、
2005年の公開を目指すということだ。

[5]続きを読む

06月15日(火)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ

[4]エンピツに戻る