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On the Production
by 井口健二
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■ハリー・ポッターとアズカバンの囚人、雲−息子への手紙、父、帰る、危情少女、誰も知らない、16歳の合衆国、シュレック2
ような感じもするが、その辺の何かモヤモヤしているところ
が、ちょっと変な言い方だが一種の魅力にもなっていて、そ
のまま最後まで見せられてしまった感じもする。またそれを
見続けさせるだけのものは感じさせる作品だった。
因に本作は、元はテレビ向けに作られたもののようだが、一
応プロの作品というレベルはクリアしている。実際、この後
の活躍を見れば、監督の才能は認められている訳で、その監
督のデビュー作が見られるということで評価すれば良いもの
ともいえる。
『誰も知らない』
『ワンダフルライフ』などの是枝裕和の脚本、監督、編集に
より、本年度カンヌ映画祭で主演男優賞を受賞した作品。
1988年東京で実際に起きた、未婚の母親による幼い4人の子
供の置き去り事件を題材に、14歳の少年を最年長とする4人
がどのように生活したかを描いた物語。ただし、映画は事件
を題材にはしているが、物語のほとんどはフィクションで作
られている。
とあるアパートに、夫は海外出張中と称する母親と息子が引
っ越してくる。実は、その一家には他に3人の子供がいるの
だが、彼らは全て父親が異なり、しかもいずれも出生届けが
出されておらず、社会からは存在しない子供たちだった。
だから長男を除く3人は、外出はおろかベランダに出ること
も許されない。こんな弟妹を、長男は帰宅の遅い母親に代っ
て世話している。しかしある日、母親が姿を消してしまう。
そして残された4人は、時折送られてくる現金書留を頼りに
生活を続けるが…。
試写会で配られたプレスブックには、4頁に渡って物語が綴
られている。そんなふうに詳細に綴りたいほど、この映画に
は大事にしたい物語が一杯に納められている。確かに悲しい
物語なのだけれど、ここには精一杯生きた子供たちの素晴ら
しい姿が描かれている。
事件は、当時未成年の子供が絡むものだし、取材などは不可
能だったと思われる。だからここに描かれた生活の様子は全
て是枝監督の想像によるもののはずだが、彼の子供たちを見
つめる目の優しさが、境遇に立ち向かう子供たちの姿を見事
に描き出している。
といっても、子供たちは雄々しいわけでもなく、遊びたい盛
りの子供たちは、世間からは隠れながらもそれをゲームのよ
うにして生活して行く。そんな生き生きとした描き方が、こ
の映画をさらに素晴らしいものにしている。
ドキュメンタリー出身の是枝監督は、『ワンダフルライフ』
でも、その手法を活かした素晴らしい作品を作り上げたが、
本作もそれに劣らず見事に作られている。実際、子供たちの
撮影には台本を見せず、ほとんどが即興に近いものだったと
いうことだ。
僕は、『ワンダフルライフ』の素人のお婆さんが出演したド
キュメンタリーのシーンが最高に好きだが、この作品にも、
演出ではできない素晴らしいドラマが描かれている。
『16歳の合衆国』“The United States of Leland”
16歳の普通の少年が犯した殺人事件が引き起こす様々な出来
事を描いたドラマ。脚本監督は、自身が少年院での教師の経
験を持つマシュー・ライアン・ホーグ。俳優ケヴィン・スペ
イシーの製作で、そのデビュー作が実現した。
映画は、その殺人のシーンから始まるが、主人公はその時の
ことはよく覚えていないという。そして物語は、その動機を
探ろうとする作家志望の少年院の教師を第2の主人公として
展開して行く。
佐世保の事件が起きた後にこの作品を見たが、取り返しのつ
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06月14日(月)
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