ID:47635
On the Production
by 井口健二
[460006hit]

■第64回
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
※このページは、キネマ旬報誌で連載中のワールドニュー※
※スを基に、いろいろな情報を追加して掲載しています。※
※キネ旬の記事も併せてお読みください。       ※
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
 今回はニュースが多量なので、早速始めることにしよう。
 まずは、昨年度の全米興行で2億4261万ドルを稼ぎ出し、
第5位の成績を記録したジム・キャリー主演の神様コメディ
『ブルース・オールマイティ』の続編が計画されている。
 前作で、キャリー扮する主人公は、神の休暇中の代役で振
り回されたが、今度は神の啓示によって第2のノアの箱船を
作らされることになるようで、映画化される脚本の題名は、
“The Passion of the Ark”。この脚本、ボビー・フロスハ
イムとジョシュ・ストルバーグという新人脚本家チームが執
筆したものだが、実は発表された時点では、前作とは無関係
のものだった。
 ところが、前作を監督したトム・シャドヤックが、この脚
本が続編として使えることを思いつき、直ちに前作を製作し
たユニヴァーサル/スパイグラスにその意向を伝え、4月に
行われたオークションに臨むことになった。しかし彼らは権
利の獲得に失敗、権利はソニーに持って行かれてしまった。
なおソニーは、この権利を最低150万ドルから最高250万ドル
の契約金で獲得したものだが、これは映画化実績のない脚本
家では史上最高額だったということだ。
 とはいえ諦め切れないシャドヤックは、自らソニーに赴き
共同製作を直接申し入れたということで、この申し入れをソ
ニーは一も二もなく了承。これにより続編は、ソニー/ユニ
ヴァーサル/スパイグラスの3社の共同製作で実現されるこ
とになった。また、前作にも参加した脚本家のスティーヴ・
オーデカークが、続編にマッチするように脚本をリライトす
ることも決まっているようだ。
 因に、最初は異なる脚本から続編が作り出されたケースで
は、ジョナサン・ヘスレイ原作の“Simon Says”という脚本
から、1995年に『ダイ・ハード3』が作られた例があるが、
そのために他社まで巻き込むというのは珍しいことだろう。
 ということで、この続編は前作と同じ監督の下で進められ
ることになったが、問題は、キャリーが中々続編には出たが
らない性分だということで、今までにも、『マスク』『Mr.
ダマー』の続編は断られている。しかし今回は、『エース・
ベンチュラ』の続編も実現した盟友シャドヤック監督作品と
いうことでどうなるか。なお、オーデカークのリライトは、
主演の変更も考慮した2面作戦で進められるようだ。
        *         *
 お次は、新規巻き直しの計画で、すでに撮影が開始された
“Batman Bigins”に続いて、待望の21世紀版“Superman”
の製作準備が本格化してきた。
 そこで今回新たに公表された情報は、VFXを『マトリッ
クス』を手掛けたESCが担当。またアニマトロニックとス
ペシャルメイクのベテラン=スタン・ウィンストンの参加も
発表されている。さらに製作総指揮には、『スタースキー&
ハッチ』などのギルバート・アドラーの起用が報告されてい
るが、実はこの3者、先にキアヌ・リーヴス主演のDCコミ
ックスの映画化“Constatine”でも一緒に仕事をしたところ
で、その流れで新作への参加もスムースに決まったようだ。
 そしてワーナーは、J.J.アダムスの脚本、McGの監
督による新作の撮影を、年内にも開始したいということなの
だが、実は肝心の主演者がまだ発表されていない。この主役
については、一時はブレンダン・フレイザーがかなり有力だ
ったものだが、彼自身本作への出演は希望しているものの、
それは主人公ではないとのことで、結局、主演はまだ決まっ
ていないということのようだ。
 ところで本作は、“Batman Bigins”と同じく物語の起源
に戻ることが予定されているが、そこで登場するスーパーマ

[5]続きを読む

06月01日(火)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ

[4]エンピツに戻る