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On the Production
by 井口健二
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■第59回
てほぼ全滅させられ、人々は病原菌を除去するドームに包ま
れた都市の中でかろうじて生き長らえている。そして主人公
は、その世界での政治的なリーダーを殺すことを命じられた
アクロバティックなスーパーヒロイン、このスーパーヒロイ
ンをセロンが演じるというものだ。
オスカー受賞の直後にしては風変わりな作品を選んだもの
だが、実はこの発表は、受賞式直前の2月26日に行われたも
ので、渡辺謙のラーズ・オル・グールと同様、箔が付いてし
まう前に契約を結んでしまおうというもののようにも感じら
れる。といっても、先日のハリー・ベリーもオスカーで仕事
を選ぶことはないと言っていたように、セロンもこういう役
柄を演じて見たかったのかも知れない。実際、“Monster”
の公開以後に殺到した出演交渉の中からこの作品が選ばれて
いる訳で、彼女自身が選んだ役柄であることに変わりはない
ということだ。
なお映画化は、ゲイル・アン・ハードのワルハラ・プロダ
クションが進めるもので、ハードは10年以上前からこの企画
を温めていたそうだ。そして監督は、2000年に話題になった
『ガールファイト』のケイリン・クサマで、監督も1年近く
この計画に関わっているようだ。脚本はフィル・ヘイとマッ
ト・マンフレディが執筆。撮影は、本年6月にベルリン郊外
で開始されることになっている。
* *
話のついでに、渡辺謙のラーズ・オル・グールが登場する
“Batman Begins”の情報で、シリーズのレギュラーとなる
ゴッサムシティ警察のゴードン本部長(署長ではなかった)
役に、“Harry Potter and the Prisoner of Azkaban”には
タイトルロールのシリウス・ブラック役で登場するゲイリー
・オールドマンの登場が発表された。なおこの配役は、以前
の紹介ではデニス・クウェイドが報告されていたものだが変
更になったようだ。
因にゴードン本部長役は、前のシリーズではパット・ヒン
グルという俳優が演じていたが、大元の設定では前作『バッ
トマン&ロビン』に登場したバットガールの父親というもの
(その後の設定変更では叔父、ただし映画版のバットガール
は執事アルフレッドの姪ということになっていた)。今回の
設定がこの先どうなるかは判らないが、ましてオールドマン
が演じるとなれば、かなり重要な登場人物になりそうだ。
なお、本編の撮影はアイスランドで開始されたようだ。
* *
続いてはSF映画のリメイクの情報で、1976年にMGMで
映画化されたウィリアム・F・ノーラン、ジョージ・クレイ
トン・ジョンスン共作の“Logan's Run”(2300年未来
への旅)を、『X−メン』のブライアン・シンガーの監督、
『マトリックス』のジョール・シルヴァ製作で、ワーナーで
再映画化する計画が発表された。
オリジナルの映画化は、1956年のオスカー作品賞を受賞し
た『80日間世界一周』などのマイクル・アンダースンが監督
し、マイクル・ヨークとジェニー・アガターが主演、ファラ
・フォーセットの出演などでも話題になったものだ。
物語は、2274年の舞台設定で、ドーム都市の中でユートピ
ア社会が構築された世界。しかし都市の人口増加を押さえる
ため、住民は30歳になると儀式によって死ななくてはならな
い。そして主人公は、死を免れようとする住民を取り締まる
警官だったのだが、ある日、逃亡の手段を見つけてしまう。
オリジナルの映画化では、巨大な未来都市のミニチュアセ
ットの中をシュノーケルカメラが縦横に動き回るなど、当時
としては最新の技術が駆使されたもので、内容自体はさほど
優れたものとは思わなかったが、映画の評価はガイドブック
で星3つなどと高めになっている。また、映画公開後にはテ
レビシリーズ化もされた。
その作品をシンガーの監督でリメイクするものだが、シン
ガーはすでに『X−メン2』のプロダクションデザインを手
掛けたジー・ダイアスとの作業を開始しており、「皆さんが
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03月15日(月)
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