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On the Production
by 井口健二
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■大脱走、妄想代理人、かまち、パピヨンの贈りもの、ランダウン、真珠の耳飾りの少女、ケイナ、H、恋愛適齢期
並の8歳ではない。
まあ、お話は心暖まる良い話ではあるけれど、それ以上に何
かあると言うものではない。でも子役の見事な演技も見られ
て、一服の清涼剤のような感じのする映画だった。
 
『ランダウン』“The Rundown”  
ドゥエイン“ザ・ロック”ジョンスン主演アクション映画。
主人公は闇金融の取り立て屋。腕っ節は強いが銃は嫌い。そ
して、実は本人も多額の借金を抱えており、その棒引きとさ
らにその後の事業資金も提供するという約束で、ある仕事を
請け負う。それは、ブラジルに行ったまま帰ってこない金融
業者の息子の連れ戻し。
こうしてアマゾンの奥地にやってきた主人公は、考古学的発
見を夢見る息子は簡単に見つけ出すが、彼が発見したと主張
する遺物を巡って、現地の金鉱を暴力で支配する白人独裁者
や、反乱軍ゲリラとの抗争に巻き込まれることになる。
日本公開では、『ザ・ロック・イン・アマゾン』という副題
が付くらしいが、実にその通り。ジャングルで猿に襲われる
は、巨大な露天掘りの金鉱の景観は登場するはで、撮影はハ
ワイで行われたが、その気分は充分に味あわせてくれる。
ザ・ロックは、『スコーピオンキング』に続く主演2作目だ
が、到底他分野から来たとは思えないしっかりした演技で、
安心して見ていられた。アクションも、トリッキーあり、体
力任せありで、まずまずの出来だろう。
それに脇を、クリストファー・ウォーケンやロザリオ・ドー
スンらが固めているのも魅力で、特にウォーケンの怪演ぶり
は楽しめた。
なお、最初の方でサプライズゲストが登場する。僕のホーム
ページを読んでいれば誰だかは解かってしまうが、一応プレ
スでは伏せられていたようなので、ここでは割愛する。

『真珠の耳飾りの少女』“Girl with a Pearl Earring”  
17世紀のオランダの画家フェルメールの代表作とも言える絵
画(別名:青いターバンの少女)の誕生を巡る物語。
優秀なタイル制作者の娘グリートは、怪我で仕事を続けられ
なくなった父に代って生活費を得るために奉公に出る。そこ
は、画家フェルメールの住まい。しかし入り婿である画家の
家は、その妻と義母によって支配されていた。
すでに著名な画家にはパトロンもいたが、一度に1枚の絵し
か描かない画家は寡作で、妻や義母は虚勢を張ってはいるも
のの、生活は裕福ではなかった。そんな中で娘は、父譲りの
美術の才能を発揮、家事から画家の手伝いもするようになる
のだったが…。
元々は1999年に発表され、200万部を超えるベストセラーに
なったという小説の映画化で、物語は全くのフィクションだ
が、17世紀の当時の風景や、絵の具の作り方など当時の絵の
描き方も丁寧に紹介され、タイムマシンで過去世界を見るよ
うに興味深いものがあった。
それに、娘役のスカーレット・ヨハンソンが巧い。1984年生
まれで、まだ19歳ということだが、本当に17世紀にいた少女
ような純粋さ素朴さが見事に演じられていた。
コリン・ファース、キリアン・マーフィ共演。なお本作は、
今年度のオスカーで、美術、撮影、衣裳デザインの各賞にノ
ミネートされている。

『ケイナ』“Kaena”
2003年にフランスで製作されたヨーロッパ初のフルCGアニ
メーション。
フランス製作のアニメーションというと、グリモウの『やぶ
にらみの暴君』や、ラルーの『ファンタスティック・プラネ
ット』などが記憶に残るが、アメリカ製とは一線を画するイ
メージの豊さに素晴らしさを感じるものだ。
本作は、そんなフランスアニメの歴史を引き継いで、さらに
CGアニメーションに新風を吹き込む作品と言えそうだ。と
言っても今回、液体の表現などはありものの映像ではあるの
だが、これがこの先どう発展するか期待したくなるような作
品と言える。
宇宙の果てのとある惑星。その衛星に昔、異星の宇宙船が墜
落し、その影響で1本の樹が巨大化。その樹はある種の知性
を持つまでになり、その世界を支配しようとしている。
一方、樹の幹の半ばには人類に似た住民が暮していたが、彼

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02月14日(土)
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