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On the Production
by 井口健二
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■第53回
の『ミニミニ大作戦』の記事にも少し書いたが、元はE・M
・ネイザンスンという作家の小説を、『ミニミニ…』の脚本
家コンビが脚色したもので、12人の殺人犯を含む犯罪者が、
第2次大戦下の戦場で、自らの自由を勝ち取るために危険な
任務に取り組むというもの。『ミニミニ…』の流れで判るよ
うにコメディタッチで描かれた作品だ。         
 それにしても、これらの作品からタランティーノは一体ど
のような戦争映画を作ろうとしているのか、製作は優先権を
持つミラマックスになるはずだが、いずれにしてもかなり大
型の予算規模の作品になりそうで、楽しみだ。      
 なお、タランティーノの次回作ではもう1本、ジョン・ト
ラヴォルタとサミュエル・L・ジャクスンのパイロットに、
パム・グリアのステュワーデスで、“Airplane 2005!”とい
う情報もあったが、これは監督のジョークだったようだ。 
        *         *        
 ちょっと気になる話題で、1980年に公開されたタイムスリ
ップものの大作“The Final Countdown”(ファイナル・カ
ウントダウン)などを手掛けた製作者のピーター・ダグラス
が、フィラデルフィアに本拠を置くスポーツチャンネルなど
を経営する資産家のエド・スナイダーと手を組み、1本当り
3000万ドルから1億ドルの製作費の大作を中心とした製作会
社を設立。しかもこの新会社では、SF映画を中心に映画製
作を進める意向のようだ。               
 そして、その新会社の製作計画が発表されている。   
 まず1本目は、ローランド・エメリッヒの盟友ディーン・
デヴリンが主宰するエレクトリックと、『スチュアート・リ
トル』のロブ・ミンコフ主宰のスプロケットダインとの共同
製作で“Mysterious Planet”。             
 見るからにSFという感じの題名だが、お話は、宇宙探検
隊のメムバーが美しい景色の星を発見して降り立つがそこは
危険な惑星だったというもの。題名からは『禁断の惑星』や
ジュール・ヴェルヌの『神秘島』を連想するが、マルコ・シ
ュナベルという人の脚本から、ディズニーアニメーションの
『美女と野獣』を手掛けたカーク・ワイズが監督することに
なっている。                     
 お次は“Seven Days in May”。1963年製作、ジョン・フ
ランケンハイマー監督の『5月の7日間』のリメイクで、冷
戦時代の物語を現代に置き換えて再構築するということだ。
脚本はマット・マンフレディとフィル・ヘイ。      
 そしてもう1本SFは“Outward Bound”。マシュー・ウ
ェスという人の脚本で、遠隔の惑星に送り込まれた非行少年
たちの「矯正野外プログラム」を描いたものだそうだ。  
 この他、ロバート・デ=ニーロ主宰のトライベカと共同製
作するコメディ作品で、破産した主婦が犯罪に走る姿を描い
たアンドリュー・チャップマン脚本の“Number One”。  
 冬期オリムピックで大怪我をしたスキージャンパーの社会
復帰をコメディタッチで描いたクリス・フェイバー、ダニー
・バロン脚本の“The Agony of Defeat”。        
 デイヴィッド・モレルの原作をミッチ・ブライアンが脚色
し、ロバート・シュエンティケが監督する作品で、西部の小
さな町に隠された秘密を巡るスリラー“The Totem”。   
 ジェニー・スナイダーとヴィクトリア・ウェブスターの脚
本で、5人姉妹とその弟の婚約を巡るロマンティック・コメ
ディ“The Boy”などが計画されている。         
 なおこの新会社には、元CAAのタレントエージェントの
ロブ・パリスも参加しており、その伝ではいろいろなタレン
トも集まる可能性もあるということで期待したいところだ。
        *         *        
 後は、いろいろな話題を紹介しよう。         
 まずは、来春公開が予定されているラース・フォン・トリ

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12月15日(月)
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