ID:47635
On the Production
by 井口健二
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■ラブ・アクチュア、タイムライン、デッドロック、ショコラーデ、レジェンド・オブ・メキシコ、N.Y.式ハッピー・セラピー、牙吉、コール
メキシコのクーデターを背景に、CIAの捜査官や麻薬王、
将軍、伝説のガンマンなどが入り乱れる。        
物語は、ジョニー・デップ扮するCIA捜査官サンズから始
まる。クーデターの動きを察知しているサンズは、それに乗
じてある作戦を巡らせている。そしてその手立てとして、2
つの町を一人で全滅させたという伝説のガンマン、エル・マ
リアッチを探し出す。                 
クーデターは麻薬王バリーリョとマルケス将軍が手を結んで
進めている。そこでサンズはマリアッチを雇い、首謀者マル
ケス将軍の殺害を依頼する。しかしマリアッチとマルケスの
間には、マリアッチの妻と娘を巡る因縁があった。    
マリアッチ役のアントニオ・バンデラスと、その妻カロリー
ヌ役のサルマ・ハエックは、『デスペラード』と同じ役を演
じている。その意味では続編としてのつながりはあるが、全
体的にはそのような経緯は余り関係がない。       
今回は、クーデターを巡って、その陰で上手く立ち回ろうと
する男たちと、実直に自分の意志を貫く男たちの物語だ。実
際の話、前作『デスぺラード』では後半のこれでもかという
銃撃戦が見所だったが、今回はもっとちゃんとしたドラマを
見せてくれる。                    
それでも、銃撃戦を中心としたアクションの凄まじさは、前
作の味わいをしっかりと再現している。それに加えてドラマ
とロドリゲス特有のユーモアが盛り込まれているのだ。  
なお原題はOnce Upon a Timeとなっているが、映画の中では
テレビはワイドスクリーンだし、携帯電話も使われている。
使用される銃器も現代のものということで、背景は現代なの
だが、それを敢えて原題のように言っている辺りがロドリゲ
スらしさと言える。                  
それにしても、デップが撮影に参加したのは9日間だけだっ
たという情報もあるのだが、映画は完全にバンデラスとデッ
プの2人主役。さすがにデップのシーンでは、周到な準備を
必要とするような大掛かりなアクションはないが、それが逆
にバンデラスの動と、デップの静の対比のようにもなってい
て、上手い構成になっていた。             
なお、音楽は全体がマリアッチで綴られるが、バンデラスと
デップ、それに元FBI捜査官役のルーベン・ブラデスは自
分の登場シーンの作曲も担当している。また、エンディング
の歌曲はハエックが歌っているなど、音楽も注目の作品だ。
                           
『N.Y.式ハッピー・セラピー』“Anger Management” 
アダム・サンドラー、ジャック・ニコルスン共演のコメディ
映画。                        
アメリカでは大人気のサンドラーのコメディで、この作品も
4月にナンバー1ヒットを記録している。ところが僕はどう
も彼のコメディが性に合わず、特に『リトル・ニッキー』や
『変心パワーズ』のようなファンタシー系の作品がお手上げ
だったものだ。                    
しかし『ウェディング・シンガー』にはそれなりに共感した
ところもあり、今回は共演がマリサ・トメイとニコルスンな
ら、そう酷くはなるまいという気分で見に行った。で、その
結果は、ちょっと期待以上という感じで、特に、クライマッ
クスではかなり良い気分に浸れた。           
主人公は全く自分を主張できない男。昇進を口約束されて企
画会社に勤めているが、仕事は上司の下働きばかり、しかも
上司に昇進の希望を言うことすらできない。       
そんな主人公が、ちょっとした誤解から、搭乗した旅客機の
フライトアテンダントに暴行したとして逮捕される。そして
裁判所の判事に、怒り抑制セラピー教室への参加を命じられ
たことから、彼の人生が狂い始める。          
その教室のセラピストは、彼の怒りを抑制するどころか、煽

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12月02日(火)
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