ID:47635
On the Production
by 井口健二
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■第16回東京国際映画祭(後半)
ないし、物足りないが、製作の条件を考えると、逆に実験映
画としては良くできているという感じがした。夢を追い続け
ることの大事さみたいなテーマもそれなりに伝わってくる。
なお、本作もベルリンへの招待が決まったそうだ。    
                           
<アジアの風上映作品>                
『リング・ウィルス』(韓国映画)           
『リング』の韓国版リメイク。             
98年に公開された日本版の評判は韓国にも伝わったが、ワー
ルド杯以前の日本文化の流入が制限されていた中では、この
作品が韓国で上映される可能性はほとんどなく、このため同
国の映画人が国内のみの上映を前提とした権利を取得して99
年に製作した作品。                  
その作品を、今回は原権利者である角川書店などの特別許可
で上映したもので、従って今後、この作品が日本で再度上映
される可能性はほとんどないということだ。       
物語は、日本版とほとんど変わるところはなく、正しくリメ
イクという感じ、いくつか違いを挙げれば、主人公の子供が
女の子になっていることや、ヴィデオを見た後に掛かって来
る電話のシークェンスが最初を除いて省略されていた。  
特に後者に関しては、このシーンが除かれることで恐怖感は
かなり薄らいでいる感じがした。また結末に関しても、ハリ
ウッド版のような改変はなく、日本版より明確に以後の展開
を示している感じで、全体的に恐怖を煽るより物語をはっき
りさせる意志を感じた。                
つまりその辺りが、日本と韓国の映画作りの基本的な違いの
ような感じもして、興味深いものがあった。       

11月09日(日)
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