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On the Production
by 井口健二
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■チャーリーズ、コンフェッション、28日後、ミニミニ大作戦、シェフと素顔と、レボリューション6、10日間で男を、タイタニックの秘密
ながら突っ走るシーンが印象に残っている程度だ。    
このシーンは今回も再現されているが、オリジナルでは主人
公たちの後をやはり小型車のパトカーが追いかけたものが、
アメリカのパトカーではそうは行かず、バイクになっている
のはご愛嬌だ。                    
それに加えて今回は、地下鉄や小型ヘリコプターなど、いろ
いろなアクションが取り揃えられていて、さすがに21世紀版
のリメイクという感じがした。             
なお、映画の中でテレビに白黒映画が映っているシーンがあ
り、その作品が何かと思ったら『アルフィー』だった。これ
はオリジナルに主演したマイクル・ケインに敬意を払っての
ことだろう。                     
それからもう一つ、発端部分の老金庫破りの役でドナルド・
サザーランドが出ているが、彼が『M★A★S★H』でブレ
イクする直前に出演した『戦略大作戦』という作品は、本作
のオリジナルを執筆したトロイ・ケネディ・マーティンの脚
本によるものだった。                 
しかしこの作品は、僕にとっても期待外れだったもので、サ
ザーランドはある意味、その批判の矢面に立たされたところ
がある。それを考えると、サザーランドにとって本作は積年
の思いを遂げた出演というところかも知れない。     
ちょっと長めに書いてしまったが、実は本作がリメイクであ
ることは、試写会で配られたプレスシートにもほとんど触れ
られていない。このため翌日見に行った別の試写会でも、そ
のことを知らないで話している人がいて、思わず説明をして
しまったほどだ。                   
リメイクというのが、必ずしも宣伝にはならないのかも知れ
ないが、邦題もわざわざオリジナルと同じにして、話題のネ
タも沢山あるのに、もったいない感じもした。      
                           
『シェフと素顔と、おいしい時間』“Decalage Horaire” 
シャルル・ドゴール空港を舞台に、ストで足止めを喰った男
女の巡り会いを、ジャン・レノとジュリエット・ビノシェの
共演で描いたロマンティック・コメディ。        
男は、フランスの田舎町に店を開く同業の父のもとを飛び出
し、アメリカで成功した料理人で、ドイツで行われる元恋人
の母親の葬儀に向かう途中、天候の悪化で搭乗機がシャルル
・ドゴールに着陸、そのまま足止めを喰ってしまう。   
女は、コンテストの優勝経験もある美容師で、12年間耐えて
きた夫の暴力から逃れるために、アカプルコのホテルの美容
室に職を見つけ、無断で家を出て空港までやってきた。しか
し足止めとなったために、夫が追いかけてくる恐怖を感じて
いる。                        
そして彼女は、家に残した置き手紙を廃棄させようと、家族
に電話連絡を取るために、男の携帯電話を借りる。こうして
2人は巡り会い、ドラマが始まる。           
片や、ホテル客室の煙草の残り香まで気にする繊細な男と、
片や、厚化粧で香水を振り撒きながら、素顔は裸でいるよう
な気分と言い切る女。そんな生き方も考え方もまるで違う2
人が、出会いから恋を育んで行く様子が描かれる。    
まあ、特殊なシチュエーション、特別な境遇の登場人物と言
うことで、言ってみれば夢物語ではあるけれど、ルルーシュ
の『男と女』の昔から、フランス映画の伝統を守るロマンテ
ィックドラマと言うところだ。             
ただし、主演2人のキャラクターのお陰で、かなりコメディ
タッチなのが今風と言える。それに携帯電話の使い方が、実
に上手くて、その辺も良い感じで見られる作品だった。  
脚本は、監督も手掛ける女流のダニエル・トンプソンと彼女
の息子のクリストファー。因にトンプソンは、『大進撃』な
ど一連の往年のフランスコメディ映画の脚本を、父親で監督

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06月16日(月)
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