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On the Production
by 井口健二
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■ギャングスターNo1、NARC、デビッドゲイル、トレジャーP、エデンより彼方に、オシリス、クローン・オブ・エイダ、ブロンドと柩の謎
町並の俯瞰ショットから始まる映画の巻頭のシーン。右上が
りの斜めに描かれたタイトルロゴ。エルマー・バーンステイ
ンの壮麗なサウンドトラック。そして、赤は飽く迄も赤く、
青、緑の冴え渡るテクニカラーを忠実に再現した色調。
本当に2002年の作品かと思ってしまうほど、見事に50年代調
を再現した作品。しかし描かれるのは、人種差別や同性愛者
への偏見など、今も全く変わっていない問題の数々。この2
重構造が見事に決まった作品だ。
『ファイナル・フライト・オブ・オシリス』
“Final Flight of the Osiris”
6月7日の日本公開が予定されている『マトリックス・リロ
ーデット』のプロローグ的な物語となる9分のオールCGI
アニメーション。4月に公開されるスティーヴン・キング原
作『ドリームキャッチャー』の併映として一般公開される。
このアニメーションは、全体を『アニマトリックス』と称す
る9本の短編からなるが、その内の本作を含む3本が『マト
リックス』のウォシャウスキー兄弟の脚本によるもの。
そして本作は、ザイオンに重要なメッセージを伝えるための
飛行中に、敵と遭遇したオシリス号の戦いを描いており、こ
の戦いが続編の物語の発端となるようだ。
因に、ウォシャウスキー兄弟脚本の後の2本は『マトリック
ス』の世界が構築されるまでの物語と、第1作のサイドスト
ーリーの様な作品ということで、9本全部を見るチャンスが
あるかどうか分からないが、この2本だけはなんとか見たい
ものだ。
なお、本作の製作は『ファイナル・ファンタジー』の映画版
を手掛けたスタッフで、動きや質感の再現はさらに進歩した
ようだ。『FF』の脚本がもう少し良かったらと、いまさら
ながらに思ってしまった。
『クローン・オブ・エイダ』“Conceiving Ada”
ヴァーチャルリアリティをテーマにした一風変わったSF映
画。ドイツとの合作で、アメリカのインディペンデンスで製
作された作品。
詩人バイロンの娘エイダといえば、それだけでお判りの人も
いると思うが、史上初のプログラマーと呼ばれるヴィクトリ
ア朝の女性。本作は、そのエイダの生涯を題材に、現代との
交流を巧みに描いて、かなりしっかりしたSF作品になって
いる。
監督のリン・ハーシュマン・リーソンは、ヴィデオアートで
知られる女流アーティストということで、本作は1997年に発
表された彼女の長編第1作。こういう作品は、得てして中途
半端になってしまい勝ちなものだが、本作のSF度は期待以
上だった。
主人公は、現代に生きる女性プログラマー。彼女は個人が残
した記録を積み重ねることによって、過去の人物をヴァーチ
ャル的に甦らせる研究をしている。そしてその研究対象がエ
イダ。彼女はエイダの残した日記や研究ノートからエイダの
人格を形成して行く。
こうしてエイダの生涯が描かれて行く。そして母親との確執
や、家事や子育てと研究を両立させる困難と闘うエイダは、
やがて麻薬に溺れて行き、死の淵に立つ。そんな彼女を、主
人公はヴァーチャル世界の中で生き長らえさせようとするの
だが…。
映画の中では、現存するエイダの肖像写真からヴァーチャル
セットを作り出すなど、映像的にもいろいろな試みをしてお
り、さすがヴィデオアーティストの作品という感じの作品で
もある。結末はちょっと強引だが、何かほっとさせてくれる
ところもあった。
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04月02日(水)
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