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On the Production
by 井口健二
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■ゴーストシップ、アウトライブ、カルマ、オズワルド、テープ、ラスムス、おばあちゃんの家、六月の蛇
舞台は、モーテルの1室。登場人物は、ヤクの売人、映画監
督、女性検事補の3人だけという心理ドラマ。
ある町で映画祭が開かれ、そこで映画監督ジョンの作品が上
映されることになり、高校時代の仲間だったヤクの売人ヴィ
ンセントも祝いに駆けつけている。しかしその町には、高校
時代のヴィンセントのガールフレンドだった女性検事補エイ
ミーが暮らしていた。
ヴィンセントの部屋にジョンが現れ、最初は他愛もない話に
興じているが、やがてヴィンセントはジョンとエイミーとの
関係と追求し始める。高校時代の終りの頃にジョンはエイミ
ーと寝て、その後エイミーとヴィンセントの仲が切れてしま
ったのだ。
執拗な追求に、ついにジョンはエイミーを暴力的に襲ったこ
とを告白する。それを聞くやヴィンセントは小型テープレコ
ーダーを取り出し、今までのジョンの言葉を録音していたこ
とを告げる。そしてすぐにやってくるエイミーに謝罪するこ
とを要求する。
そこへエイミーが登場し、3人の葛藤が始まる。
元は舞台劇だそうだが、何しろ会話が面白い。ヴィンセント
の巧みな誘導にジョンが思わず真実を語ってしまう辺りは、
かなりの長台詞の応酬で見応えがあった。
演出は、舞台の雰囲気を出そうというつもりか、ちょっとカ
メラを振り回し過ぎという感じの部分もあったが、全体的に
は問題ないし、舞台を尊重しようという感じが見ていて好ま
しい。
ただし、撮影にはPAL方式のデジカメが使われていて、は
っきり言って良い画質ではない。まあ、NTSCではなく、
PAL方式を使っているだけましというところだろうが…。
『ラスムスくんの幸せをさがして』“Rasmus På Luffen”
今年1月に亡くなったスウェーデンの女性児童文学者アスト
リッド・リンドグレーンの原作の映画化。
孤児院で暮らすラスムスはお金持ちの里子になることを期待
しているが、、里子になって孤児院を出て行くのは巻毛の女
の子ばかりだということに気付き、厳しい先生にも嫌気がさ
して孤児院を出て行くことを決心する。
そしてある夜、孤児院を抜け出したラスムスは、一夜を明か
した干草小屋で、神様に選ばれた風来坊と自称するオスカル
と巡り会う。
オスカルはアコーディオンを手に、道端や軒先で唄ってはお
金や食べ物を恵んでもらうという風来坊。その暮らしに興味
を引かれたラスムスは、子供にはきつい暮らしだと言われな
がらも、オスカルと行動を共にすることになる。
ところが町で強盗事件が発生し、風来坊たちが取り調べられ
る。そして最初は釈放されたオスカルだったが、次に老婦人
が襲われ、オスカルとラスムスが近くにいたのを目撃された
ことから、嫌疑はオスカルに掛かる。
そしてその場をなんとか逃げ出したオスカルとラスムスは、
隠れた廃屋で強盗の一味と遭遇してしまう。
製作は1981年だから、20年以上も前の作品ということになる
のだが、古臭さを余り感じないのは、まあ、原作がリンドグ
レーンだからということになるのだろう。それでもテンポや
演出などにも、古さを感じさせないのだから大したものだ。
監督は、リンドグレーン作品の映画化を数多く手掛けている
オル・ヘルボム。手慣れているということもあるだろうが、
主人公たちの演技のバランスも良く、児童文学らしい柔らか
な雰囲気で、見事な作品だ。
『おばあちゃんの家』(韓国映画)
韓国では観客400万人を動員したという少年と老女の一夏の
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12月16日(月)
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