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On the Production
by 井口健二
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■ガール・フロム・リオ、K-19、ショウ・タイム、マイ・ラブリー・フィアンセ、夜を賭けて
93年製作の“Les Visiteurs”(おかしなおかしな訪問者)
のアメリカ版リメイク。
と言っても、共同製作としてハリウッド・ピクチャーズの名
前は入っているが、製作主体はフランスの映画会社のゴーモ
ンで、コピーライトもゴーモンになっていたから、これはれ
っきとしたフランス映画だろう。
主演はオリジナルと同じジャン・レノとクリスチャン・クラ
ヴィエ。監督はオリジナルのジャン=マレー・ポアレからジ
ャン=マレー・ゴーベールに代っているが、実はゴーベール
はクラヴィエと共にオリジナルの脚本を手掛けた人物だ。な
お今回のアメリカ版の脚本には『ホーム・アローン』などの
ジョン・ヒューズも参加しているようだ。
物語は12世紀のイギリスから始まる。そのとある領地にフラ
ンス人伯爵の主人公が到着、その地の姫と結婚することにな
っていたのだが、それを良しとしないイギリス人伯爵の奸計
で、主人公は婚礼の席上で姫を刺殺、捕えられた主人公は魔
術によって時間を遡り、姫を救うはずだったのだが…、手違
いで従者と共に現代のシカゴに来てしまう。
そこではちょうど12世紀のヨーロッパ展が開かれており、そ
こにイギリス貴族の血を引く女性が祖先の遺品を展示してい
たのだ。現場に居合わせた女性は、現れた主人公のただなら
ぬ様子に、彼を自宅につれて行くのだが…。
一方、彼女は婚約者と共同で祖先伝来の土地を売る計画を立
てていたが、その婚約者は詐欺で彼女の土地を奪おうとして
いたのだった。
今年の春には19世紀のイギリス貴族が現代のニューヨークに
現れるロマンティック・コメディがあったばかりだが、本作
は01年の製作で先に作られたものだ。しかも相手の女性は子
孫なのだから男女の関係とは行かず、それだけ健全と言えば
健全な物語だ。
従って主眼はコメディということになるが、その点はクラヴ
ィエ、ゴーベールのコンビということで、実に健全に楽しめ
る作品になっている。特に伝統に生きる主人公と、どんどん
現代に順応して行く従者との対比は上手く描かれている。し
かも追ってきたイギリス人魔術師がもっと順応してしまうの
は笑える所だ。
クライマックスには、乗馬のまま環状線に乗り込んだり、シ
カゴの町を走り抜けるシーンが有ったりして、かなり爽快。
タイムパラドックスは、まあこんなのも有りかな、というと
ころで、楽しめる作品だった。
『夜を賭けて』
梁石日原作の映画化。
一応日本映画の扱いになるが、在日韓国人の監督の手によっ
て、韓国に壮大なオープンセットを建設して撮影された。製
作資金も日韓で折半ということなので、実際には日韓共同製
作の作品と言える。
SFファンには小松左京の『日本アパッチ族』でお馴染みの
大阪の鉄屑窃盗団を描いた物語だが、実はその真の姿はその
地域に住んでいた在日韓国人であり、彼らの青春を賭けた物
語が群像劇のように描かれる。
舞台は1958年。大阪城の近くに作られた大阪造兵廠は36万坪
の敷地を有し、戦時中は東洋一の兵器廠と呼ばれていた。し
かし終戦の前日の大空襲で破壊、戦後は米軍が管理した後、
日本国に返還されたが、長く廃虚のままだった。
その廃虚から平野川を挟んで在日韓国人が住むスラム街が在
った。そして彼らは夜になると廃虚に忍び込み、屑鉄を回収
しては業者に売り捌くことで現金を得ていた。しかしそれは
国家財産の窃盗であり、警察の取り締まるところとなったの
だが。
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10月02日(水)
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