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On the Production
by 井口健二
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■プレッジ、燃ゆる月、少林サッカー、ボーンズ、スコーピオン・キング、金魚のしずく、月のひつじ、ピンポン、海辺の家、モンスーンW
良い意味でも、悪い意味でも典型的なプログラムピクチャー
なのだが、これが全米公開で4月の歴代1位の記録となった
のは、一重にザ・ロックのお陰。そのザ・ロックが今回試写
に合わせて来日し、試写会での舞台挨拶もあったのだが、日
本では1回しか試合をしたことはないはずなのに、会場は男
女を合わせたファンで一杯で、その人気に驚かされた。
作品自体は、上にも書いたようにプログラムピクチャーで、
多分製作費もあまり掛っていないのだろうが、こんな作品で
もVFXが満載なのには驚いてしまう。
ザ・ロックの演技はそこそこだが、それより共演者の元ミス
・アメリカ・ハワイ代表というケリー・ヒューに注目、空手
黒帯保持者ということだが、次はその腕も披露して貰いたい
ものだ。
『金魚のしずく』“玻璃、少女。”
反抗的な16歳の少女Pと、大陸出身の元刑事ウーの交流を描
いた香港映画。
家出した孫娘を探すために街にやってきたウーは、孫娘の携
帯電話の着信から友人Pを突き止め、彼女のボーイフレンド
のトーフと共に孫娘の捜索を始めるのだが…。
物語は多感な少女Pの行動を中心に描かれるのだが、これが
万国共通というか、僕自身ついこの間までこの年代だった娘
を持つ親として頷けるところが多々あった。その意味では、
良くできた風俗映画ということなのだろう。
構成は、中心の3人だけでなく、孫娘の両親などのエピソー
ドが羅列され、そこにカットバックが在ったりして結構トリ
ッキーなのだが、その繋ぎ方が上手いのか、見ていて違和感
はない。映像もしっかりしていて見ていて心地良かった。
それと、少女Pを演じたこの作品がデビュー作のゼニー・ク
ォックが素晴らしく、またウーを演じた元クンフースター、
ロー・リエの存在感も良かった。
『月のひつじ』“The Dish”
アポロ11号の月面からのテレビ中継を受信したオーストラリ
アの電波天文台の奮闘を描いた史実に基づくコメディ作品。
この中継は、当初はカリフォルニアの電波天文台が行うこと
になっていたが、スケジュールの変更により、バックアップ
用だったオーストラリアの片田舎の天文台に主要な中継が任
せられる。
その名誉に沸き立つ地元だったが、停電などのアクシデント
が続出。そして中継の当日には、パラボラの安全基準を越え
る強風が吹き荒れる。しかしその苦難を克服し、ついに月面
からの中継に成功するという物語だ。
確かに中継がアメリカ以外の国を経由して行われたというの
は、うっすらと記憶していたが、それがこんな場所で、しか
も強風の中、生命の危険を冒してまで行われたものとは知ら
なかった。
映画全体は、基本的に悪人は出てこないし、心暖まるコメデ
ィで、科学的な啓蒙の意味も考えれば文部科学省の推薦を取
ってもいいのではないかというような作品。当時を知るもの
としては、ノスタルジーも重なって面白かった。
『ピンポン』
松本大洋の人気コミックスの映画化。
主人公の天才ピンポンプレーヤー、ペコ役を、昨年『GO』
で主演賞を総嘗めにし、テレビの『漂流教室』にも主演した
窪塚洋介が演じる。
個人的には『少林サッカー』に続けてCGI利用のスポーツ
映画ということになったが、香港作品が常人には不可能な技
をCGIで実現して見せたのに対して、こちらはスポーツは
素人の俳優にプロ級の腕前をCGIで演じさせるということ
で、なるほどこういう使い方もあったのかということでは、
日本人の発想も捨てたものではないと感じた。
つまり卓球の壮絶なラリーを、多分俳優はポーズを決めるだ
けで、その間をCGIの球が行き交うという訳だが、以前な
ら俳優を猛特訓して演じさせたような苦労がない訳で、その
分落ち着いて見ていられるのは気持ちが良い。
なお監督の曽利文彦は『タイタニック』にも参加したという
CGIアーティスト、これに『チャーリーズ・エンジェル』
のミサイルのシーンなどを手掛けたという松野忠雄がCGI
ディレクターとして加わって、ハリウッド仕込の映像を見せ
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06月03日(月)
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