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On the Production
by 井口健二
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■ニューヨークの恋人、プロミス、海は見ていた、ブレイド2、フューチャー、天国の口、銀杏のベッド、ガウディ、チョコレート
ずれを感じることが多い。本作でも前半の主人公のちんぴら
生活を描くシーンは何か違和感を感じていたのだが…。そこ
に突然CGIが入ってくる辺りから好い感じになってくる。
というのは、本作の前半と後半に1回ずつ実写の取り込みシ
ーンがあるのだが、これが上手い。前半のカーチェイスのシ
ーンではパリの中心街を取り込んだ中でゲームさながらのカ
ーアクションが展開し、後半の格闘シーンでは主人公の戦い
ぶりが見事に戯画化されている。
『ヴィドック』など最近のフランス映画のCGI技術には注
目するものがあるが、特に本作ではその扱い方に上手さを感
じた。

『天国の口、終りの楽園』“Y tu mama tambien”
ハリウッドで95年の『小公女』や97年の『大いなる遺産』な
どを監督したアルフォンソ・キュアロンが10年振りに母国メ
キシコに戻ってスペイン語で撮った作品。
物語は、高校卒業を控えた2人の若者が、それぞれのガール
フレンドも家族旅行で海外に出かけてしまって暇と身体を持
て余し、たまたまパーティで出会った従兄弟の妻を誘って、
幻の入り江「天国の口」を目指すというロードムーヴィ。
大人になり切れない2人の若者と、夫の浮気やいろいろな現
実の辛さから逃れようとする女の、切なくも何か心に残る旅
が綴られる。
ところがこの作品、実はアメリカではノン・レイティング、
つまりアダルト映画として公開されたということでも話題に
なっている。というのも映画の中で余りにも赤裸々にセック
スシーンが描写されるためなのだが…。映画自体はもっと純
粋だし、僕自身は青春映画として上の部類に入ると思うのだ
が、規制というのはどの国でも面倒なもののようだ。因に日
本では、ヘアや男性器が写る他に、久しぶりに画面の1/3
くらいがボケボケになるシーンがかなりある。
映画の中では、かなりの長廻しが行われて、これがまた素晴
らしい効果を上げている。上手い人が撮った長廻しの素晴ら
しさも堪能できる作品で、僕は今年のベスト作品に入れても
良いと思っている。

『銀杏のベッド』(韓国映画)
日本でも98年に大ヒットした『シュリ』のカン・ジェギュ監
督と、主演のハン・ソッキュが最初にコラボレーションした
96年の作品。
舞台は現代、美大講師も勤める画家のスヒョンは、外科医の
恋人ソニョンにも恵まれ、何不自由ない暮らしをしていた。
しかしスヒョンは不思議な夢を観るようになり、その夢に導
かれるように迷い込んだ路地で銀杏の古木から切り出したベ
ッドを購入する。
一方、彼の周辺では、不思議な事件が頻発していた。それは
心臓を抜かれた死体が発見されたり、ソニョンが手術を担当
して経過も良好だった患者が急死、葬儀の最中に突然蘇った
りというようなものだったが、その影は徐々にスヒョンにも
近づいてくる。
そしてスヒョンの前に謎の美女と古代戦士が現れる。戦士は
スヒョンを襲い、美女が助ける。その裏には、1000年も続く
悲恋の物語が隠されていた。
実は00年に、ジェギュの脚本、総指揮で製作された『燃ゆる
月』という作品があり、この作品はその年の東京国際映画祭
での上映で観ているのだが、ここで古代戦士達の物語が紹介
された。
その時から前編があると言われ、気になっていたのだが、よ
うやくその作品を観ることが出来たという訳だ。といっても
物語は完全に独立しているし、別々に観ても問題はないのだ
が、日本では同時公開(2本立てではない)になるらしい。

『ガウディアフタヌーン』“Gaudi Afternoon”
アントニオ・ガウディの生誕 150周年を記念した訳ではない
が、バルセロナを舞台に、ガウディが残したいろいろな建築
を背景に繰り広げられる、ちょっと奇妙な物語。
主人公は、18歳でミシガンの家を飛び出し、世界中を流れ歩
き、辿り着いたバルセロナでスペイン語の小説を英語に翻訳
して暮らしを立てている独身の女性。その主人公に、アメリ
カから失踪した夫を捜しにやってきたと言う女が助けを求め
てくる。

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06月02日(日)
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