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On the Production
by 井口健二
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■KIDDOキドー、ベテラン 凶悪犯罪捜査班、ガール・ウィズ・ニードル
共演は2018年『王の預言書』などのチョン・ヘイン。2020年
のドラマ『梨泰院クラス』などのアン・ボヒョン。さらにオ
・ダルス、チャン・ユンジュ、オ・デファン、キム・シフ、
シン・スンファンらが前作に引き続き登場する。
実は前作も観ているが、当時は鑑賞作品数も多く、また前作
の場合は韓国特有の社会情勢を背景にしたものでちょっと感
覚的に合わない部分があって、作品的には面白かったがここ
での紹介は割愛してしまったものだ。
そんな作品の続編だが、今回は内容的には解り易い連続殺人
もので、さらにSNSでの拡散など我々にも判りやすい展開
が加えられて万人が容易に理解できる作品に仕上げられてい
た。しかもそこに見事なアクションも展開される。
そのアクションはパルクールを取り入れたもので、日本映画
でも2017年10月29日題名紹介『HiGH&LOW』などで扱われては
いるが、本作の場合は人混みの中での活劇が見事に展開され
ていた。そこも見ものと言える。
その一方で殺人場面には2007年10月『SAW』シリーズのよ
うな趣もあり、まあ物語の全体も『SAW』シリーズのバッ
クグラウンドに共通するような要素もあるもので、その辺は
ファンとして面白く観ることができた。
取り敢えずはさらなる第3作、乃至はシリーズ化も期待した
くなるものだ。
公開は4月11日より全国ロードショウとなる。またそれに先
立って4月4日より前作『ベテラン』の再上映も行われる。
なおこの紹介文は、配給会社KADOKAWA Kプラスの招待で試写
を観て投稿するものです。
『ガール・ウィズ・ニードル』“Pigen med nålen”
第1次世界大戦終結前後のデンマークを舞台に、時代に翻弄
される女性の姿を描いた作品。残念ながら受賞は逃したよう
だが、今年のアカデミー賞🄬 国際長編映画部門にノミネート
された。
登場するのは軍需の縫製工場で働く女性。分厚い軍服の生地
相手のミシンはすぐ針が折れてしまう。それでも健気に働く
彼女だったが、戦地に逝ったままの夫は帰らず、家賃の滞納
で住まいを追い出されることになってしまう。
そんな彼女に手を差し伸べたのは夫の行方を探すなどの相談
に乗っていた工場の若い支配人。やがて深い関係になり、夫
の行方も判らない彼女は彼に恋心を打ち明け、結婚の約束を
取り付けるが…。
勇躍彼の邸宅に乗り込んだ彼女は家長の母親の拒絶に遭い、
邸宅を追い出された挙句に職も失ってしまう。しかも妊娠し
ていた彼女は止むなく堕胎を試みるが、そこで菓子屋を営む
という女性に救われ、生まれた子の面倒を約束される。
そんな折に、戦地で深い傷を負いサーカスでフリークスとし
て働いている夫が現れる。そして夫は他人の子でも構わない
というが。そこで彼女の下した決断が、当時のデンマーク社
会を震撼させた大きな闇を掘り起こすことになる。
出演は、2022年にデンマーク、ノルウェー、日本合作『MISS
OSAKA ミス・オオサカ』という作品に主演のヴィクトーリア
・カーメン・ソネと、2013年2月紹介『ロイヤル・アフェア
/愛と欲望の王宮』などのトリーネ・デュアホルム。
他に1990年生まれで舞台やテレビで活躍して受賞歴もあるベ
シーア・セシーリ、1987年生まれで2015年ベルリン国際映画
祭でシューティングスター賞受賞のヨアキム・フェルストル
プらが脇を固めている。
脚本(共同)と監督は2020年『スウェット』という作品がカン
ヌ国際映画祭で公式上映されているマグヌス・フォン・ホー
ン。共同脚本にはリーネ・ランゲベクという人が名を連ねて
いる。
また音楽を、コペンハーゲンのアンダーグラウンドシーンに
てプース・マリーという名義で活動してるフレゼレケ・ホフ
マイアが担当し、不気味で印象的な楽曲が映画の雰囲気を高
めている。
映画は巻頭からかなり不気味な映像で彩られ、尋常でない物
語の展開を想像させるが、二つ以上に意味でそれらが展開さ
れて行く物語とも言える。それはタイトルの意味の二重性と
も合さって物語を見事に集約させているものだ。
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03月02日(日)
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