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On the Production
by 井口健二
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■あめだま、ノーバディズ・ヒーロー、ファレル・ウィリアムス、サスカッチ・サンセット、太陽の運命、ハッピー☆エンド
ー、イリエス・カドリ、ミシェル・マジエロ、ドリア・ティ
リエ。本作がデビュー作というイリエス・カドリ以外はそこ
そこの出演歴のある俳優が並んでいる。
所謂艶笑コメディという部類の作品になるが、そこで語られ
る爆弾テロの意外な真相や性別、人種、民族に関わるマイノ
リティの問題など、現代社会が抱える様々な問題を巧みに織
り込んだ展開も見事と言える作品だ。
しかも性行為などはかなりリアルに描かれ、これは監督自身
がインタヴューで「ポルノグラフィーの復権が目的の一つ」
と語っているもので、この辺の捉え方も凡庸な監督とは一線
を画していると言える。
しかもそんな種々雑多な情報を我々日本人のような部外者に
も判りやすく描いているのも見事で、民族間の問題など複雑
な社会情勢が巧みに描かれているのも秀逸に感じられた。監
督が現代フランス映画の旗手とされるのも頷ける作品だ。
民族間の問題などは日本人にはなかなか判り難いが、その点
には学びもある作品だった。日本の近い将来を暗示する作品
でもある。
公開は3月22日より、東京地区は渋谷のシアター・イメージ
フォーラム他にて全国順次ロードショウとなる。
なおこの紹介文は、配給会社サニーフィルムの招待で試写を
観て投稿するものです。
『ファレル・ウィリアムス:ピース・バイ・ピース』
“Piece by Piece”
音楽家として数々のヒット曲を発表し、自らのファッション
ブランドを生み出すと共にルイ・ヴィトンのクリエイティヴ
・ディレクターとしてランウェイショーを手掛けるなど、多
岐に活躍するアーチストの半生を特別な手法で描いた作品。
内容は、1970年代に生まれた孤独だった少年がやがて音楽の
才能に目覚め、友人とバンドを組んで徐々に音楽で頭角を現
して行くというもの。この程度は他にもあるかなと思うが、
本作ではここに錚々たる顔ぶれの証言が加わる。
その顔ぶれはスヌープ・ドッグ、ケンドリック・ラマー、ジ
ャスティン・ティンバーレイク、グウェイン・ステファニー
ら、音楽には疎い僕でも知っているような名前が並んでいる
ものだ。
そして彼らがファレル・ウィリアムスの偉大さを語ってくれ
るのだが、何とそのインタヴューやその他の彼の半生の映像
が全て2014年2月紹介『LEGOムービー』のようなブロック玩
具の造形で描かれている。
監督は2013年オスカー受賞作『バックコーラスの歌姫たち』
などのモーガン・ネヴィル。受賞作はここでの紹介は割愛し
たが試写を観て優れた音楽ドキュメンタリーだったと記憶し
ておりドキュメンタリーの実績は充分な監督の作品だ。
そんな監督が本作では何とも奇想天外な作品を作り上げたも
ので、これはもしかして最初は実写のドキュメンタリーで制
作して後付けでレゴ🄬 ムーヴィ化したのかとも疑ったが、イ
ンタヴューの受け答えでは最初からの企画だったようだ。
まあ単純にはインタヴューのシーンが多い作品なので、それ
では単調だと考えられたのかもしれないが、正直にはレゴ🄬
の造形が面白くて、インタヴューがしっかりと頭に入ってこ
ないような印象にもなってしまった。
ただそんな中でファレル・ウィリアムス本人がかなりSFに
造詣のある人のようで、『スター・トレック』や『カール・
セーガンのコスモス』なども引用されているのには大いに興
味を惹かれたものだ。
なお映画の製作はレゴ🄬 社の協力の許に行われているものだ
が、実際の造形はCGIで行われているようで、これにはレ
ゴ🄬 化ソフトみたいなものがあるのかな?
公開は4月4日より全国ロードショウとなる。
なおこの紹介文は、配給会社パルコの招待で試写を観て投稿
するものです。
『サスカッチ・サンセット』“Sasquatch Sunset”
北米大陸に生息するとされる未確認生物サスカッチの生態を
描き、2018年10月紹介『ヘレディタリー/継承』などのアリ
・アスターが製作総指揮を手掛けたという作品。
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02月16日(日)
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