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On the Production
by 井口健二
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■YOLO 百元の恋、ボストン1947、DitOディト、ロイヤルホテル、お隣さんはヒトラー?
にはベルリンでの優勝も主張するが、それは日本人の記録だ
と突っぱねられる。
そこで急遽国際大会であるボストンマラソンへの参加が検討
されるが、当時は米軍の統治下にあった朝鮮半島には様々な
制約が立ちはだかっていた。そんな中、孫基禎監督の許での
チームの派遣が進められるが…。
因にボストンマラソンは1897年に創始され、毎年開かれるス
ポーツ大会では最も古い歴史を持つとされているだそうだ。
出演は、2018年7月紹介『1987、ある闘いの真実』などのハ
・ジョンウ。2018年2月25日付題名紹介『名もなき野良犬の
輪舞』などのイム・シワン。2018年6月3日付題名紹介『ス
ウィンダラーズ』などのペ・ソンウ。
他に2018年3月25日付題名紹介『焼肉ドラゴン』などのキム
・サンホ。2023年3月紹介『THE WITCH/魔女-増殖-』などの
パク・ウンビンらが脇を固めている。
監督は、2002年6月紹介『銀杏のベッド』や2012年1月紹介
『マイウェイ』などのカン・ジェギュ。撮影監督には2019年
5月紹介『工作 黒金星(ブラック・ヴィーナス)と呼ばれ
た男』などのチェ・チャンミンが起用され、CGIなども駆
使して1947年が再現されている。
映画の終盤に韓国国家が演奏されるシーンがあり、そこでは
白頭山を歌った歌詞は現行と同じものだが、曲は「蛍の光」
になっている。これは1948年に現在の曲になるまでの歴史的
事実のようだ。他にも星条旗の星が整列しているなど、考証
もしっかりとなされた作品だ。
日本人としては耳の痛い部分もあるが、日本人をことさら悪
く描いてはおらず、これが歴史的事実だということをしっか
りと認識して観たいものだ。
公開は8月30日より、全国ロードショウとなる。
なおこの紹介文は、配給会社ショウゲートの招待で試写を観
て投稿するものです。
『DitOディト』
2016年11月20日付題名紹介『なりゆきな魂、』などに出演の
俳優・結城貴史が、自らの企画・製作・監督・主演で作り上
げた日本=フィリピン合作作品。
主人公は40歳の誕生日を間近にした日本人のプロボクサー。
日本国内では年齢規制で試合ができないため、異国の地フィ
リピンのボクシングジムで再起を図っている。そしてそこは
貧困層の若者が夢を追う場所でもあった。
そんな主人公の許に若い女性がやってくる。彼女は主人公の
実の娘で母親と共に日本に残してきたが、その母親が亡くな
り、彼女は高校もやめて父親の許にやってきたのだという。
その報告には慟哭する主人公だったが…。
こんな状況の中で、ジムのトレーナーでもあるオーナーの義
理の息子との確執や突然異国に飛び込んできた実娘の行動。
さらに主人公が目を掛けた若者の挫折など、環境を取り巻く
様々な状況が描かれて行く。
共演は2019年まで雑誌 「Seventeen」の専属モデルを務め、
2019年12月2日付題名紹介『転がるビー玉』などに出演して
いた田辺桃子と、2014年1月紹介『魔女の宅急便』などの尾
野真千子。
対するフィリピン側からは、2021年・第34回東京国際映画祭
コンペティション部門出品作品『アリサカ』などのモン・コ
ンフィアード。俳優、コメディアン、MC、歌手など多方面
に活躍し、フィリピンの英雄マニー・パッキャオの伝記映画
で少年時代を演じたというブボイ・ヴィラール。
さらに2016年11月5日付「東京国際映画祭」で紹介『アジア
三面鏡:リフレクションズ』のブリランテ・メンドーサ監督
作品で主演のルー・ヴェローソ。マニラを拠点に舞台や独立
系映画で活動のレスリー・リナ。
そしてボクシングの歴史上唯一の8冠の世界チャンピオンで
フィリピン政界では上院と下院の議員も務めたマニー・パッ
キャオが特別出演している。
フィリピンの映画は東京国際映画祭などでいろいろ観て来た
が、貧富の差であったり、スラムのような住宅地の様子など
はそれらの作品も思い出させてくれた。そんな現地の状況も
しっかりと捉えられた作品と言えるのだろう。
そんな中でのカラフルな街並みや、車で6時間かかるという
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06月09日(日)
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