ID:47635
On the Production
by 井口健二
[459580hit]

■FLY!/フライ、湖の女たち、彼女はなぜ猿を逃がしたか?
士蒼汰と、2022年9月紹介『夜、鳥たちが啼く』などの松本
まりか。そして2018年12月9日付題名紹介『あまのがわ』な
どの福地桃子。さらに財前直見、三田佳子、浅野忠信。
他に近藤芳正、平田満、根岸季衣、菅原大吉、土屋希乃、北
香那、大後寿々花、川面千晶、呉城久美、穂志もえか、奥野
瑛太、吉岡睦雄、信太昌之、鈴木晋介、長尾卓磨、泉拓磨、
伊藤佳範、岡本智礼、荒巻全紀らが脇を固めている。
物語は実に多岐に渉るもので、上に書いたストーリーはその
一面しか紹介していないし、恐らくは監督の意図とは異なる
部分かも知れない。従ってネタバレはしていないと開き直り
たくもなるが、この複雑な展開は魅力的だ。
一般的に物語の作り方として「起承転結」という言葉がある
が、起から承への広がり方が尋常ではなく、さらに転の部分
も意表を突く、しかも結の部分の納め方が賛否を生むかもし
れないのも見事なものだった。
こういうザ・物語という感じ作り方は映画の醍醐味と言える
ものだろう。原作小説がどのようなものかは知らないが、正
に映画という感じのする作品だ。これなら原作も読みたくな
る。
公開は5月より、全国ロードショウとなる。
なおこの紹介文は、配給会社東京テアトル、ヨアケの招待で
試写を観て投稿するものです。

『彼女はなぜ、猿を逃がしたか?』
2023年12月紹介『雨降って、ジ・エンド。』の「群青いろ」
製作で、同作の高橋泉脚本・監督による2022年の最新作。
実際の出来事にインスパイアされたとする作品。その出来事
とは少女が動物園の檻を破り猿を逃がして逮捕されたという
もの。そんな少女の真意を探るため女性記者が取材を開始す
る。しかし少女は話をはぐらかし真意には辿り着けない。
一方、別の男性記者が当日少女と一緒にいた少年の存在を突
き止め、少年が撮影したフィルムを入手。その一コマから捏
造された記事が少女を追い詰める。このため女性記者は少女
を救うための行動に出るが…。
その行動は女性記者自身を窮地に陥れることになる。
出演は「群青いろ」共同主宰の廣末哲万。他に「群青いろ」
常連の新恵みどり、結。さらに藤嶋花音、萩原護、高根沢光
らが出演している。
正直に言ってかなり入り組んだ構成の作品で、物語としての
結末はそれなりに理解はしたのだが、何となくもやもやした
感じは残る。ただまあ高橋監督としては個人的な作品を狙っ
ているようで、その辺の思惑は了解できるかな。
でも不思議な感覚の作品でその辺が嵌ればそれなりに面白く
は感じられるだろう。あくまでも商業ベースの作品ではない
ということのようだ。
公開は2月10日から公開の『雨降って、ジ・エンド。』に引
き続き2月24日より、東京地区はポレポレ東中野他にて全国
順次ロードショウとなる。
なおこの紹介文は、配給会社カズモの招待で試写を観て投稿
するものです。

01月21日(日)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ

[4]エンピツに戻る