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On the Production
by 井口健二
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■ペナルティループ、DOGMANドッグマン、身代わり忠臣蔵
けるとそこには10数頭の様々な犬種の犬たちが大人しく警官
たちを見返していた。
一方、シングルマザーの精神科医が警察からの真夜中の緊急
依頼を受け、その依頼に応えて拘置所にやって来た彼女は、
女装の主人公と面会することになる。そしてドッグマンと呼
ばれる主人公が来歴を語り始める。
それは飢餓によって闘争心を高めようとする闘犬ブリーダー
=父親の意向に反して犬たちに食べ物を与え、父親の怒りを
買って犬舎に閉じ込められることになった息子の壮絶な人生
だった。
そんな彼はある事情で救出され、長じて犬の保護センターを
開設するが、その活動も行政の無理解によって閉鎖を迫られ
る。そこで彼が執った手段とは…。社会の底辺で、僅かな支
援も閉ざされることになった主人公の復讐が始まる。
出演は2017年9月24日付題名紹介『バリー・シール/アメリ
カをはめた男』などのケイレブ・ランドリー・ジョーンズ。
ドラマで活躍し、近日紹介予定の『パストライブス/再会』
にも出演のジョージョー・T・ギッブス。
他にクリストファー・デナム、クレーメンス・シック、ジョ
ン・チャールズ・アギュラー、グレース・パルマ、イリス・
ブリー、マリサ・ベレンスン、リンカーン・パウエル、アレ
クサンダー・セッティネリらが脇を固めている。
狼に育てられた少年という話は聞いたことがあるが、犬に育
てられるとはどういうことか。そんな掴みから物語は丁寧に
描かれて行く。そこには意外性などはあまりないが、正しく
ドラマティックに展開される物語だ。
そしてどん底に落とされて行く主人公に対して常に犬たちが
優しく寄り添っている。「(犬は)人間の美徳はすべて持って
いる。でも一つだけ欠点がある。それは人間への忠誠心」。
これは主人公の台詞だが。正にそんな感じの作品だ。
犬好きが犬好きのために作った作品。でもその陰には人間へ
の不信感が色濃く漂っている。そんな感じの作品にも見える
が、そこには万物を通じての多大な優しさが溢れた作品にも
なっている。ベッソンの真骨頂と言える作品だろう。
公開は3月8日より、東京地区は新宿バルト9他にて全国ロ
ードショウとなる。
なおこの紹介文は、配給会社クロックワークスの招待で試写
を観て投稿するものです。

『身代わり忠臣蔵』
2014年『超高速!参勤交代』などの土橋章宏原作・脚本で、
近年テレビ・映画で活躍の目立つムロツヨシを主演に迎え、
赤穂浪士の討ち入りを背景に奇想天外な歴史フィクションが
展開される。
主人公は江戸の町で怪しげな説法を行っている生臭坊主。実
は高家旗本・吉良家の子息だが、長男のみが家督を継ぐ慣わ
しの許、屋敷を追い出されて出家はしたものの仏門での修行
も中途半端なようだ。
ところが江戸城松の廊下で刃傷発生。切り掛った浅野内匠頭
は切腹となったが、手傷を負った吉良上野介も背中の傷が逃
げ傷と疑われ、このままでは武士の恥としてお家取り潰しと
いう憂き目にもなる。
しかも上野介は申し開きをしないまま他界。この事態に家臣
の斎藤宮内は折よく無心に現れた主人公が上野介と瓜二つな
ことを利用して身代わりに仕立て、難局を切り抜けようと算
段するが…。
幕府重臣への申し開きは首尾よく行ったものの、赤穂浪士た
ちの吉良家討ち入りの機運が高まって行く。そんな折、気晴
らしに出掛けた遊郭で大石内蔵助と親交を結んだ主人公は、
己が絶体絶命の運命を知ってしまう。
共演は、2005年の自らの初主演作『サマータイムマシン・ブ
ルース』以来の再共演という永山瑛太。さらに川口春奈、林
遣都。そして尾上右近、野波麻帆、北村一輝、柄本明、橋本
マナミ、加藤小夏。
また吉良家側で寛一郎、本多力、板垣瑞生。赤穂浪士側では
森崎ウィン、星田英利、廣瀬智紀、濱津隆之、野村康太、入
江甚儀らが脇を固めている。
監督は2008年2月紹介『花影』などの河合勇人。近年は多く
のヒット作を手掛ける監督が手堅い演出を見せている。また
テーマ曲を東京スカパラダイス・オーケストラが手掛けてい

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01月14日(日)
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