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On the Production
by 井口健二
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■ソフト/クワイエット、70歳のチア・リーダー、オレンジ・ランプ
という活動だが、そこにはいろいろ確執があったり、特にフ
ロリダ州は有数の共和党の地盤らしく妻の行動を夫が規制す
る男尊女卑の風潮も描かれる。しかもそれが撮影隊のカメラ
の前で堂々と行われるのも凄いものだ。
そんな中でもいつも明るくパフォーマンスを繰り広げる姿が
記録されている。いやはや上で紹介の作品に続けて女性中心
の作品だったが、彼女たちが自分らしく生き抜こうとする姿
には、男性としても感動を覚える作品だった。
監督は映画、テレビの作曲家で、スウェーデンのインディー
ズ音楽シーンのプロデューサー、ミュージシャンの経歴もあ
るというローヴェ・マルティンセンと、アートディレクター
のマリア・ルーフヴード。2人は本作のためにプロダクショ
ンを設立し、共に監督デビューを果たしている。
公開は6月23日より、東京はアップリンク吉祥寺他にて全国
順次ロードショウとなる。
『オレンジ・ランプ』
39歳で若年性アルツハイマー型認知症と診断され、それから
10年後の現在も会社勤務を続けながら、認知症本人のための
相談窓口を運営したり講演活動なども行っているという丹野
智文氏の実話に基づくドラマ作品。
主人公は自動車販売会社で営業成績1位だった男性。ところ
がある日、顧客の名前を思い出せなくなったり、約束を忘れ
るなどの事態が発生する。そこで病院で受診した主人公は、
若年性アルツハイマー型認知症と診断される。
しかしその事実を公表して良いものか? 特にまだ中学生と
小学生の2人の娘には、公表することによる苛めなどのリス
クも心配される。そんな葛藤の中で、妻は認知症に関する知
識を高めようと書籍を読み漁り…。
出演は妻役に2017年8月13日付題名紹介『望郷』などの貫地
谷しほりと、本人役には2019年2月24日付題名紹介『空母い
ぶき』などの和田正人。他に伊嵜充則、山田雅人、赤間麻里
子、赤井英和、中尾ミエらが脇を固めている。
企画・脚本・プロデュースは2020年2月16日付題名紹介『ケ
アニンこころに咲く花』などの山国秀幸。なお脚本に2007年
3月紹介『きみにしか聞こえない』などの金杉弘子も名を連
ねている。
監督は、2005年『村の写真集』にて上海国際映画祭の最優秀
作品賞を受賞の他、『ケアニン』のウェブ版なども手掛ける
三原光尋が担当した。
若年性アルツハイマー型認知症の話は、2005年7月紹介『私
の頭の中の消しゴム』など既に映画でも何本か紹介されてい
るが、今迄の作品の多くはそれによって生じるトラブルを描
くことでドラマが生み出されていた。
それに対して本作では、それを発症した患者が如何に生きて
行くかに焦点が当てられており、それはセンセーショナルで
はないにしても、その病気に対する認識は深く掘り下げられ
るものだ。
以前にも書いたように自分には種類は違うけれど認知症の親
族がいた関係で、このテーマには関心を寄せるところがある
が、本作を観ていて初めて病気の本質が理解できたような感
じもした。
自分もいつこうなるかも判らない状況で、出来るだけ多くの
人に観て貰いたいと思う作品だった。
公開は6月30日より、東京地区は新宿ピカデリー、シネスイ
ッチ銀座、YEBISU GARDEN CINEMA他にて全国ロードショウと
なる。
04月09日(日)
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