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On the Production
by 井口健二
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■ハロウィンTHE END、デスパレート・ラン、忌怪島/きかいじま、エスパーX探偵社、世界の終わりから
たワッツと何時か組みたいと思っていたそうだ。しかしCOVI
D-19の影響で映画撮影が想い通りにいかなくなったときに、
出演者が1人だけの展開を思いついた。
脚本は2010年9月紹介『リミット』などのクリス・スパーリ
ング。前作もライアン・レイノルズのほぼ1人芝居という作
品だったが、孤立無援のシチュエーションの中で見事としか
言えない物語が展開されている。
学校での乱射事件というのはアメリカなど対岸のニュースと
いう感じだったが、最近では日本の学校でも凶悪な事件が起
きているようで、こんな状況がいつ自分の身に降りかかって
くるかもしれないお話だ。
しかもそこに別の判断も入ってきてしまうのは、子を持つ親
としては正に恐怖が募る作品だった。そんな展開も以前のハ
リウッド映画では考えられなかったものが、最近の流れでは
もしかするととも思ってしまう。
そんな混乱に観客も陥れる巧みな脚本と言える。そして現代
アメリカで社会問題となっている状況に対するメッセージ性
も見事に描かれた作品だった。
公開は5月12日より、東京は新宿ピカデリー、イオンシネマ
板橋他にて全国ロードショウとなる。
『忌怪島/きかいじま』
2019年9月29日付題名紹介『犬鳴村』などの清水崇監督によ
るホラー作品。前作に続く『樹海村』『牛首村』はCOVID-19
の影響で未見だが、本作はその村シリーズが終っての新たな
展開の始りなのかな。
主人公は気鋭の脳科学者。そんな主人公は女性の脳科学者に
誘われ、彼女がチーフを務めるとある島の研究施設にやって
くる。ところが施設に彼女の姿はなく、彼女は不審な死を遂
げたと説明される。
そこで主人公は彼女が開発していた、その島をモデルとする
メタバースに入り込むが、突然システム障害が発生。辛くも
危険を回避するもそこには謎のバグが生じていた。そのバグ
を追って主人公らの捜索が始まる。
一方、その島には怨讐の伝説があり、その伝説が島民を恐怖
に陥れていた。島の伝説と最新のメタバース。それらが交錯
する恐怖の物語が展開される。
出演は“なにわ男子”西畑大吾、2019年5月26日付題名紹介
『ザ・ファブル』などの山本美月、2010年1月紹介『ソラニ
ン』などの伊藤歩、2019年8月4日付題名紹介『左様なら』
などの祷キララ。
他に「ジュノン・スーパーボーイ」グランプリの平岡祐太、
元乃木坂46の生駒里奈、2020年「キラメイジャー」の水石
亜飛夢、2018年8月5日付題名紹介『パパはわるものチャン
ピオン』などの川添野愛。さらに大場泰正、當真あみ、笹野
高史、大谷凛香、なだぎ武、吉田妙子らが脇を固めている。
メタバースと現実世界が交錯するという話は映像的にも面白
いからいろいろ作られていると思うが、そこに怨讐が絡むと
かなりヤバそうだ。ただそれがメタバースの構築とどう関係
するのかはもう少し詰めて欲しかったかな。
本作の場合はそこに男女の関係も絡んでくるようで、そこに
付け込んで怨念が突破してきたようにも思えるのだが、そこ
を描き切るのは難しいとしても、その理論的な部分をしっか
り構築して欲しかった感じはした。
でもまあこれがシリーズ化されたら、その辺の関係性も明確
になってくるのかな。うまくすれば新しいジャンルになるよ
うな気もするし、日本だけでなく世界中の怨念の絡む伝説と
メタバースを関連させた作品を観てみたいものだ。
公開は6月16日より、全国ロードショウとなる。
『エスパーX探偵社〜さよならのさがしもの〜』
1973年生まれ、2003年から多数の短編作品で受賞も果たして
いる木場明義監督が、自ら得意と称するSFやファンタシー
の要素を日常に注ぎ込んだコメディタッチの作品。
物語の背景は、様々な超能力を持つ人間が存在する世界。そ
こでは多くの超能力者が犯罪に加担していた。そんな中で主
人公は、殴られると相手の記憶などが読み取れるという能力
の持ち主。その能力で彼は探偵を開業していたが…。
そんなある日、彼の許に妹が超能力者の犯罪グループに入る
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03月19日(日)
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