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On the Production
by 井口健二
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■ソングバード、バビ・ヤール、さすらいのボンボンキャンディ
はナチス軍が記録のために撮影したものだが、その撮影後は
プロパガンダ等に利用されることもなく、各地の資料館や個
人などが死蔵していたもの。
それらの映像を監督がコツコツと収集して、レストア編集に
より公開したものだ。それは正しく貴重な映像だが、正直に
言ってかなり強烈な描写もあり、観る側にもかなりの覚悟が
いる。しかしこれが人類の所業なのだ。
そして今現在ロシア軍によるウクライナ侵攻が続く中で、正
に歴史は繰り返されると言わざるを得ない。そんな状況が描
かれた作品だ。
公開は9月24日より、東京は渋谷のシアター・イメージフォ
ーラム他にて全国順次ロードショウとなる。
なお、上記の原題ではウクライナ語のものを記しています。
試写会ではロシア語の題名が記されたものが上映されたよう
に思いますが。昨今の情勢に鑑みて、敢えてこのようにさせ
ていただきます。
『さすらいのボンボンキャンディ』
2018年1月21日題名紹介『名前のない女たち』などのサトウ
トシキ監督が、ラジオ・プロデューサーでもある作家延江浩
が2002年に発表した短編集『7カラーズ』の一篇を映画化し
た作品。
主人公は30代半ばで夫が長期の海外赴任、過ぎる日々を無為
に過ごしてきた女性。そんな女性が一人の男性と巡り合う。
そして意気投合した二人は深い仲になって行くが、男は突然
姿を消してしまう。
そんな彼女には男の弟から姿を消した理由が伝えられるが、
彼女には到底納得はできない。それでも男を忘れるためか他
の男性とも付き合ってみるが…。まあ男女の関係なんてこん
なものかなという物語が展開される。
とは言うものの、男女の関係に何らかの洞察がある訳でもな
く、ただ単純に男女関係のみが描かれるのは、これが現代と
いうものなのだろう。
出演は2022年6月紹介『激怒』にも出ていた影山祐子と、俳
優原田芳雄の息子でミュージシャンの原田喧太。他に2017年
11月紹介『霊的ボリシェヴィキ』などの伊藤洋三郎らが脇を
固めている。
因に原田の出演は原作者の要望だそうで、父親芳雄の遺作と
なった2011年6月紹介『大鹿村騒動記』の原作も延江浩だっ
たそうだ。
公開は10月29日より、東京は渋谷のユーロスペース他で全国
順次ロードショウとなる。
08月07日(日)
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