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On the Production
by 井口健二
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■窓辺にて、グリーンバレット最強殺し屋伝説国岡〔合宿編〕
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※このページでは、試写で観せてもらった映画の中から、※
※僕に書く事があると思う作品を選んで紹介しています。※
※なお、文中物語に関る部分は伏字にしておきますので、※
※読まれる方は左クリックドラッグで反転してください。※
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※「全て選択」の表示が出ますので、選択してください。※
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『窓辺にて』
2020年2月23日題名紹介『街の上で』などの今泉力哉監督に
よるオリジナル脚本の映画化で、2019年11月6日付「東京国
際映画祭」にて紹介『ばるぼら』などの稲垣吾郎を主演に迎
えた大人の恋愛ドラマ。
主人公は文芸系(?)のフリーライター。彼は17歳の女子高生
が受賞した文芸賞の記者会見を取材に行き、受賞者に的確な
質問を発したことから、会見後の控室に招かれる。そこで作
家から作品のモデルに会ってみたいかと訊かれる。
そんな主人公には編集者の妻がいて、彼女は文芸賞の候補に
も挙がっていた男性作家を担当しているが、その作家と不倫
関係にもなっていた。そして主人公は長く取材しているアス
リートの妻から夫が不倫していると訴えられる。
こうして主人公の周囲では2組の不倫が展開される中、主人
公自身は、女子高生作家の奔放な振る舞いに振り回されなが
らも彼女の行動を追って行くが…。
共演は、2019年12月紹介『Fukushima 50』などの中村ゆり、
2020年1月紹介『AI崩壊』などの玉城ティナ。他に『街の上
で』の若葉竜也、2020年3月1日題名紹介『#ハンド全力』
などの志田未来。さらに松金よね子らが脇を固めている。
僕自身がフリーライターと呼ばれる範疇にいた人間で、外国
映画の来日記者会見などでは、それなりに監督らの関心を呼
ぶような質問もしてきたつもりだから、本作の主人公には好
感が持てた。
そんな中で本作の様な修羅場にはそうそう出会ったことはな
いが、その際の主人公が取る態度にはそれなりに共感すると
ころもあった。ただ自分自身がその渦中にあったとしたら、
これほど冷静に居られるかな?
そんな疑問は湧いてくるが、それがその後の展開で、これも
また納得できる結末に至って行く。でもこれは一つの理想論
かな。そんなことも含めて巧みに作られた作品と言うことは
できそうだ。
特に主演の稲垣の演技は巧みで、そんな主人公を弄ぶかのよ
うな玉城の雰囲気も良く描かれていた。まあ元々今泉監督は
若い女性を描かせると上手いという定評もあるようだから、
これはそれなりの作品なのだろう。
それを支える脚本も巧みで、映画祭に出せば受賞も狙える作
品に思えた。
公開は2022年11月より、全国ロードショウの予定となってい
る。
『グリーンバレット最強殺し屋伝説国岡〔合宿編〕』
コロナ禍での公開延期分も含めて2021年度に4作品が公開さ
れたという坂元裕吾監督が、その内の1本の続編として制作
した作品。
元々は講談社ミスマガジンの受賞者を主演に据えた映画とい
う企画があり、その企画に乗った坂元監督が、2021年度公開
の自作『最強殺し屋伝説国岡』と合体させたというもので、
様々な事情で殺し屋を目指す少女たちの群像が描かれる。
少女を殺し屋に仕立てるというお話では、1994年リュック・
ベッソン監督の『レオン』や2011年5月紹介『ハンナ』など
様々思い浮かぶが、本作ではそれが集団ということで、それ
なりに目先は変えられているかな。
ただ人数が増えている分、個々の訓練の様子はコマ切れとい
うか深くは描けないので、その辺の面白みは望めなくなって
しまう。特に訓練が伏線になって後の対決に繋がるというよ
うな、映画的な展開に欠けるのは残念なところだ。
とは言えミスマガジンの少女たちがそれなりのアクションも
頑張っているのだから、それだけで価値が見出されると言え
ばそういう作品と言うことだろう。観客の方もそれでOKと
いう感じで観るのだろうし。
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07月31日(日)
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