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On the Production
by 井口健二
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■アンナ・カリーナ(いつくしみ、グッド・B、さらばわが愛、ひまわり、許された子ども、今宵、鵞鳥湖、ランブル、バナナP、燕)pandemic映画
父子を演じて展開などは面白いのだが、何というか2人の関
係のバランスが悪くて、結局どちらを見れば良いか判らず、
僕は消化不良のまま終ってしまった。公開は4月17日より、
東京はテアトル新宿他で全国順次ロードショウ。)

『グッド・ボーイズ』“Good Boys”
(2018年3月紹介『ワンダー 君は太陽』などのジェイコブ
・トレンブレイの主演で、2016年10月16日題名紹介『ソーセ
ージ・パーティー』などのセス・ローゲンが製作を務め、初
キスに憧れる小学生を描いた作品。12歳の主人公は憧れの同
級生も参加する初キス・パーティに誘われるが、キスの仕方
がよく判らない。そこで父親のドローンを無断で借用してキ
スの実態を探ろうとするが…。脚本と監督は2012年4月紹介
『バッド・ティーチャー』の脚本を手掛けたジーン・スタブ
ニツキーの監督デビュー作。日米共にPG12の指定だが、以前
だったら恐らくR18指定は免れなかっただろうと思われる台
詞や小道具が満載の作品。これが時代の流れなのだろうとは
思うが、やはり子供を育てた親としては眉を顰めたくなる。
とは言うものの面白いことは間違いなく、大人は苦笑いしな
がら子供は大笑いして観るのだろう。公開は5月22日より、
東京はTOHOシネマズ日比谷他で全国ロードショウ。)

『さらばわが愛、北朝鮮』
          “굿바이 마이 러브 NK: 붉은 청춘”
(1956年「8月宗派事件」を切っ掛けにソ連に亡命した北朝
鮮からの留学生8人の消息を追ったドキュメンタリー。元は
10人の若者がモスクワ国立映画大学に留学していた。しかし
祖国で金日成の個人崇拝を確定する政変が起きた時、その内
の8人が亡命を決意する。ところが個人崇拝は批判しても国
家間の友好は損なえないソ連政府は、彼らが一か所に留まる
ことを認めず、遠隔地への移住を強制する。こうして各地に
散らばった8人の中には映像制作や作家として名を成した人
もいるが、全員が成功者ではないようだ。そんな歴史に翻弄
された人たちの姿が、制作時には2人だけだった生存者と、
1人の未亡人へのインタビューで描かれる。監督は「女性史
三部作」や「亡命三部作」の連作ドキュメンタリーで知られ
る韓国のキム・ソヨン。本作は後者の掉尾となるものだが、
まだ語り足りないものがある感じの作品だ。公開は5月2日
より、東京は新宿K's cinemaにてロードショウ。)

『ひまわり』“I girasoli”
(ヴィットリオ・デ・シーカ監督、ソフィア・ローレン、マ
ルチェロ・マストロヤンニの共演で、第2次大戦のロシア戦
線に赴いたイタリア兵の悲劇を描いた1970年の名作がディジ
タルリマスターにより再公開される。映画はイタリアの名優
2人の共演だが、実は1970年当時に僕が見たかったのは彼ら
ではなかった。その数年前に2部作で公開されたモスフィル
ム版『戦争と平和』で鮮烈な印象を残した女優リュドミラ・
サヴェーリエワが、当時のソ連政府から唯一国外出演を許可
されたのが本作だったのだ。しかし今回のプレス資料には彼
女の紹介文はなく、その点では多少ショックを受けることに
なってしまった。そこで調べてみたら、1942年生まれの彼女
は2009年放送のテレビ版『アンナ・カレーニナ』に登場人物
の親の役で出演、また70歳の誕生日にはパーティも催されて
健在とのことだった。再公開は5月1日より、東京はヒュー
マントラストシネマ有楽町他で全国順次ロードショウ。)

『許された子どもたち』
(2012年3月紹介『先生を流産させる会』の内藤瑛亮監督が
再び青少年が犯した犯罪をテーマにした作品。内藤監督はこ
の間に『ドロメ』や『ミスミソウ』などの作品も撮っている
が、本作では自主制作映画のスタンスに立ち返って作り上げ
ているものだ。物語は少年が故意か事故か微妙な状況で同級
生を殺してしまうというもの。ところが愛情過多の母親や自
信過剰の弁護士が自らの目的のために少年の気持ちを覆し、

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03月29日(日)
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