ID:47635
On the Production
by 井口健二
[459683hit]

■ピータールー、マーウェン(サマー・オブ・84、ホットギミック、永遠に僕のもの、ポラロイド、ドッグマン、東京喰種 ト-キョ-グ-ル【S】)
ところが主人公はナチスの兵士に囲まれて絶対絶命。しかし
そこに現れた女性たちが彼を救出。主人公は彼女らの暮らす
村に辿り着く。こうして彼の指揮の下、ナチス相手の彼女ら
の戦いが繰り広げられる…というのが写真集の物語。
そして映画では、その写真集の創造者であるマーク・ホーガ
ンキャンプの実生活が並行して語られる。それは元イラスト
レーターの男性が暴漢に襲われて記憶喪失となり、そこから
再生して行く姿を描いたものだ。
その治療の一環として、彼自身の姿を投影した人形の世界が
創られた。そこには近所の住人やネオナチだったとされる、
彼を襲った暴漢たちの姿も含まれ、さらに数1000年を生きた
とされる魔女も登場する。
共同脚本のキャロライン・トムプスンは、1991年の『シザー
ハンズ』からティム・バートンの諸作などで知られるが、彼
女の描くファンタスティックな世界が見事に再現された作品
でもある。
出演は、2019年2月17日題名紹介『バイス』などのスティー
ヴ・カレル。他に2009年12月紹介『フィリップ、きみを愛し
てる!』などのレスリー・マン。2015年2月紹介『バードマ
ン』などのメリット・ウェヴァー。
さらに2017年9月紹介『ドリーム』などのジャネール・モネ
イ。2017年6月25日題名紹介『ベイビー・ドライバー』など
のエイザ・ゴンザレス。人気ドラマ『ゲーム・オブ・スロー
ンズ』などのグェンドリン・クリスティー。
監督夫人で、2009年11月紹介『 Disney's クリスマス・キャ
ロル』などに「出演」のレスリー・ゼメキス。そして2009年
12月紹介『すべて彼女のために』などのダイアン・クルガー
らが脇を固めている。
出演者のほぼ全員が実写と、マーウェンの住人である人形の
2役を演じるものだが、バービー人形の体形に俳優の顔を再
現した造形はCGIと共に実際の人形も作られたと思われ、
これは出演者には嬉しかっただろう。
それと魔女の名前がデジャ・ソリスというのにはニヤリとし
たが、これは実際の写真集にも登場するキャラクターで、特
に監督の思いとかではないようだ。英語の表記でもhが省か
れている。
その一方で、その魔女が出現させるタイムマシン…、これも
写真集に登場するのかな? いずれにしてもSF映画ファン
の心はくすぐられる作品だ。
ただし、映画ではヘイトクライムなどの問題を厳しく取り上
げており、実際の事件は2000年に起きたことのようだが、そ
の根深さは見事に描かれているものだ。
公開は7月19日より、東京はTOHOシネマズシャンテ他で全国
ロードショウとなる。

この週は他に
『サマー・オブ・84』“Summer of 84”
(今も続くSF/VFX映画のブームが始まった頃を時代背
景とする若年向けのサスペンス作品。「連続殺人魔にも隣人
はいる」というモノローグを基調に、隣家に住む警官を殺人
魔と疑った少年たちの冒険が描かれる。映画史的には田舎や
都会でない、郊外型のサスペンスホラーが勃興した時期でも
あるようだが、雰囲気は『スタンド・バイ・ミー』を思い出
すかな。ただ結末には何とも言えないしこりの残る作品だ。
監督はROADKILL SUPERSTARS(RKSS) と名告る3人組で、短編
作品が話題になっての長編第2作。出演はテレビ版『FARGO/
ファーゴ』などのグラハム・バーチャーとコリー・グルータ
ー=アンドリュー。新『スパイダーマン』のオーディション
でファイナリストというジュダ・ルイス。いずれも10代の新
鋭だ。それに2018年8月26日題名紹介『ライ麦畑で出会った
ら』などのカレブ・エメリー。公開は8月3日より、東京は
新宿シネマカリテ他で全国順次ロードショウ。)

『ホットギミック ガール ミーツ ボーイ』
(相原実貴原作で、2000年から05年まで連載されて単行本の
累計販売部数は450万部を突破、海外でも翻訳出版されてい
るという少女コミックスの映画化。少しおくての女子高生を
主人公に、彼女を取り巻く義兄や人気モデルの幼馴染み、同
級生などによる恋愛模様が描かれる。出演は乃木坂46の堀未

[5]続きを読む

06月02日(日)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ

[4]エンピツに戻る