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On the Production
by 井口健二
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■セブンガールズ(ある闘いの記述、ずぶぬれて犬ころ、コレット、神と共に 第一章:罪と罰、殺人鬼を飼う女、轢き逃げ、グリーンB記者会見)
を現代に再検証する材料としても好適な作品かもしれない。
なお特集では『北京の日曜日』、本作及び『シベリアからの
手紙』『不思議なクミコ』『イヴ・モンタン〜ある長距離歌
手の孤独』『サン・ソレイユ』『A.K.ドキュメント黒澤明』
『レベル5』の全8作品が上映される。)

『ずぶぬれて犬ころ』
(1987年に25歳で没した自由律俳句の俳人住宅顕信の姿を、
2012年4月紹介『モバイルハウスのつくりかた』などの本田
孝義監督が初のドラマで描いた作品。ドキュメンタリーで実
績のある本田監督は俳人の生き様に興味を持ち、当初は自分
の手法で映画化を考えたそうだ。ところが実写の映像がほと
んど残っておらず、インタヴュー映像ばかりは難しい。それ
でも彼の作品に共感する監督は初の劇映画に挑戦することに
なる。それは律義に俳人の姿を追ったものであり、多少の外
連はあるが、それが彼の俳句を浮き彫りにする巧みな作品に
なっている。脚本は2012年のオムニバス『らもトリップ』内
『仔羊ドリー』などの山口文子。出演は2018年11月18日題名
紹介『赤い雪』などの木口健太、地元岡山出身の森安奏太。
他に仁科貴、2018年9月紹介『BD−明智探偵事務所−』な
どの八木景子、さらに田中美里。公開は5月下旬より、東京
は渋谷ユーロスペース他で全国順次ロードショウ。)

『コレット』“Colette”
(20世紀初頭のフランスで活躍した女流作家の姿を、キーラ
・ナイトレイの主演で映画化した作品。シドニー=ガブリエ
ル・コレットはフランスの田舎町で生まれ育ったが、14歳年
上の作家と出会ったことから人生が変わり始める。やがて彼
と結婚してパリに暮らすようになったコレットは社交界にデ
ビューする一方で、夫のゴーストライターにもなる。そして
彼女の書いた半自伝の小説は夫の名義で出版され、ベストセ
ラーになるが…。その頃、パーティで男装の貴族と出会った
彼女は自己に目覚めて行く。共演はドミニク・ウェスト、デ
ニース・ゴフ。脚本と監督は2014年『アリスのままで』など
のウォッシュ・ウェストモアランド。共同脚本は彼のパート
ナーだったリチャード・グラッツァーと、2013年『イーダ』
などのレベッカ・レンキェヴィッチ。映画化までのmakingに
もドラマがある。公開は5月17日より、東京はTOHOシネマズ
シャンテ他で全国ロードショウ。)

『神と共に 第一章:罪と罰』“신과함께-죄와 벌”
(人の死後はどうなるか? その世界を描いた韓国映画。設
定によると人は死後の49日の間、冥界を彷徨いながら殺人や
怠惰、嘘など9つの罪がそれぞれの地獄で裁かれる。そして
主人公は火災現場で殉職した消防士。生前の行いから稀にみ
る「貴人」として地獄にやってきたが…。3人の弁護人と共
に、彼の生前の行いが検証されて行く。出演は、2012年3月
紹介『ハロー!?ゴースト』などのチャ・テヒョンと、2018年
7月『1987』などのハ・ジョンウ、2009年1月紹介『アンテ
ィーク』などのチュ・ジフン、2013年4月紹介『私のオオカ
ミ少年』などのキム・ヒャンギ。地獄巡りは日本の映画でも
あるが、血の池や針の山などとは様変わりのもの。でも閻魔
大王はいてかなり複雑な物語が展開される。実は本作は2部
作の第1部で、話には釈然としない部分も残る。第2部を観
てから改めて紹介することにしたい。本作の公開は5月24日
より、東京は新宿ピカデリー他で全国ロードショウ。)

『殺人鬼を飼う女』
(2005年1月紹介『最後の晩餐』などの大石圭の原作を、J
ホラーの旗手とも呼べる中田秀夫監督で映画化した作品。主
人公は幼児期に義父から受けた性的虐待により複数の人格を
持つようになった女性。普段はビストロで働く美しいギャル
ソンだが…。そんな彼女がアパートの隣室の住人が憧れの人
気作家だと知り、彼に恋心を抱いたことから他の人格が蠢き
だす。出演は飛鳥凛、大島正華、松山愛里、中谷仁美。他に
水橋研二、根岸季衣らが脇を固めている。映画は1人の主人

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03月10日(日)
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