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On the Production
by 井口健二
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■アンフレンデッド:DW、移動都市(僕たちは希望、ビューティフル・B、僕の彼女、アラフォー、ナイトC、笑顔の、イメージの本、ヨーゼフ・B)
採掘を生業とする小都市を食い尽していた。
そんな小都市の1つを飲み込んだ時、その住人の中に1人の
少女が紛れ込む。彼女はロンドンで権力を握る考古学者の男
性の生命を狙っていたが…。その男には野望があり、それは
少女の生い立ちにも関るものだった。
主演は、アイスランド出身で同国のアカデミー賞を2度受賞
しているヘラ・ヒルマー。相手役に2018年1月紹介『ジオス
トーム』などのロバート・シーアン。さらに『LOTR』な
どのヒューゴ・ウィーヴィング。
他にロン・ハワード製作のテレビシリーズ“Mars”で主人公
の双子を演じている、ミュージシャンでもあるジヘ。2016年
11月紹介『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』
などのローナン・ラフテリー。
また俳優ヴィンセント・ドノフリオの娘で本作に抜擢された
レイラ・ジョージ。1999年『007ワールド・イズ・ノット
・イナフ』などのパトリック・マラハイド。2016年11月紹介
『ドント・ブリーズ』などのスティーヴン・ラングらが脇を
固めている。
因に前述のアンドリュー・リースは、Herbert Melliphantと
いう役名で出ていたものだ。
映画は初っ端から、巨大なロンドンが採掘した物資を満載の
小都市を追い回すチェイスシーンで始まり。その都市の中で
振り回されたり、次々に変形する街路を右往左往する人々の
アクションが描かれる。
それは例えば『ハリー・ポッター』の映画の中で階段が動き
回るホグワーツの仕掛けが巨大化し、さらに複雑化したよう
なもので、正にCGI=VFXによる夢のような映像が展開
されている。
しかもそれが、次から次へと息つく暇もないほどに変形して
行く様子が豪華かつ詳細に描かれており、その映像の素晴ら
しさには全く目を見張らされた。これがオスカー候補にもな
らないのは全く解せないところだ。
因にこのロンドンは、前方左右にトラファルガーのライオン
を鎮座させ、上部にはセントポール大聖堂のドーム屋根が設
えられているという、正にニヤリとするデザインで、これを
見るだけで嬉しくなるものだった。
そしてそこから展開される人間ドラマにも納得できたし、さ
らに支配者の目的や、そこに絡まる人間関係などにも感動を
覚えるものがあった。なお原作小説は4部作となっており、
この後の展開も楽しみになる作品だ。
公開は3月1日より、東京はTOHOシネマズ日比谷他にて全国
ロードショウとなる。

この週は他に
『僕たちは希望という名の列車に乗った』
           “Das schweigende Klassenzimmer”
(1956年のハンガリー動乱を背景に、ソ連軍に支配された東
ドイツを描いた青春群像劇。高校生の主人公は祖国のために
戦った祖父の墓参と称して列車に乗り、度々西ベルリンを訪
れていた。そんな折に西側の映画館に入った主人公は同胞国
で起きた事件を知る。そして帰国した主人公は同級生の伯父
の家で西側のラジオを聞き、動乱に巻き込まれた若者たちの
運命を思う。それは自分らの気持ちにも通じていた。そんな
彼らの上げた狼煙が大きなうねりになって行くが…。彼らに
厳しい現実が突き付けられる。1961年に始まる「ベルリンの
壁」建設以前の実話に基づく物語。階級を無くしたはずの体
制が新たな階級支配を生む、そんな矛盾した社会構造が強引
な情報操作の中で成立して行く。それは映画の中では共産党
批判に取れるが、現実の今の社会にも通じるものだ。公開は
5月17日より、東京は渋谷Bunkamura ル・シネマ、ヒューマ
ントラストシネマ有楽町他で全国ロードショウ。)

『ビューティフル・ボーイ』“Beautiful Boy”
(2018年1月28日題名紹介『君の名前で僕を呼んで』のティ
モシー・シャラメと2018年4月22日題名紹介『バトル・オブ
・ザ・セクシーズ』のスティーヴ・カレル共演で、ドラッグ
依存症の息子とその父親の葛藤を描いた実話に基づく作品。
父子が独立に発表した回想録を原作に、それぞれの視点から
問題が解き明かされて行く。共演は2008年6月紹介『俺たち

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02月03日(日)
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