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On the Production
by 井口健二
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■岡本太郎の沖縄、歯まん(君がまた走り、母を亡くし、誰がための、500年の航海、記者たち、君から目が、女王陛下の、ギルティ、クリード2)
その後、少女は街でその女性と出会い、女性は男性のことを
いろいろ聞かせてくれる。こうして男性にも好意を持つよう
になった少女だったが、街を彷徨い続ける少女に突然中年男
が声を掛け、少女は男に拉致される。が…。
脚本と監督は、後で題名紹介する篠原哲雄監督作品で脚本と
助監督を務めている岡部哲也。本作が監督デビュー作だった
ようだが、他にも助監督はしているようで、しっかりとした
映画を作り上げている。
出演は、近作では前枝野乃加と改名している馬場野々香と、
2010年に中田秀夫監督の『インシテミル』に出ていたという
小島祐輔。2人は上記の篠原作品にも出ているが主に舞台の
俳優のようだ。
それに2015年1月紹介『ら』で脚本、監督を務めた水井真希
が、今回は女優で映画を引っ張っている。
テーマとしては吸血鬼に通じるかな。愛する人に死をもたら
す運命となってしまった女性の悲哀が描かれる。ただしその
シチュエーションが特殊だと、一般には中々伝わり難い面が
あって、その辺が一般公開の遅れた理由でもありそうだ。
ここはSFファンやホラーファンなら判る展開ではあるのだ
が…。その一方で本作では、少女の置かれる状況がいろいろ
変化するのもよく考えられた脚本と言えるもので、特に咬み
切ったモノに対する態度の違いにはニヤリとした。
R18+指定でそれなりのシーンも多い作品だが、物語にも破
綻は少なく、ダークファンタシーとしてはしっかりと描かれ
ている作品だ。
公開は2019年3月2日より、東京はアップリンク渋谷他にて
全国順次ロードショウとなる。

この週は他に
『君がまた走り出すとき』
(「SKIPシティ国際Dシネマ映画祭」15周年を記念して川口
市が製作したドラマ作品。巻頭で主人公は警察に追われ、老
婦人の住む民家に逃げ込む。そこで老婦人に孫と間違われた
主人公はその家で暮らし続けるが、そこに別の孫娘が現れ、
本物の孫は事故死したと教えられる。それでも利害の一致で
3人暮らしが始まり、ラジオでマラソンの話題を聞いた孫娘
は主人公に大会への出場をけし掛ける。そして間借り人の男
性らと参加の準備が進められるが…。出演は共に2017年7月
紹介『ナミヤ雑貨店の奇跡』に出ていた寛一郎と山下リオ。
それに松原智恵子。また2018年11月18日題名紹介『赤い雪』
などの菜葉菜、さらに長谷川初範、浅田美代子らが脇を固め
ている。原案と監督は『カメラを止めるな』で助監督を務め
た中泉裕矢。他愛ない話だがそれなりに心は掴まれた。公開
は2019年2月8日から川口で先行上映の後、東京は3月2日
より新宿武蔵野館他で全国順次ロードショウ。)

『母を亡くした時、僕は遺骨を食べたいと思った。』
(このタイトルを見て僕は、1964年山田洋次監督の『馬鹿が
戦車(タンク)でやって来る』を思い出した。確かその映画の
始めに、葬儀(遺影はいかりや長介)の席に現れたハナ肇扮す
る主人公が、骨壺の遺骨を貪り食うシーンがあったはずだ。
そんなことを考えつつ観ていた本作だが、内容は大病をして
母親の溺愛の許に育った男性が、癌で余命宣告された母親を
前にマザーコンプレックスを剥き出しにするという展開で、
自分がこの春に母親を亡くしたばかりの身としては、まあ何
ともはやという感じだった。それは自分と主人公とでは立場
も違うから感情なども異なるが。まさか実際に遺骨をかじる
シーンが出てくるとは思っても見なかったもので、山田作品
では理解できても今回は別の感覚となった。原作はWeb マン
ガ家の宮川サトシ。出演は安田顕、倍賞美津子。脚本と監督
は2018年7月29日題名紹介『日日是好日』などの大森立嗣。
公開は2019年2月22日より全国順次ロードショー。)

『誰がための日々』“一念無明”
(2002〜2003年『インファナル・アフェア』シリーズなどの
ショーン・ユーとエリック・ツァンの共演で、重い躁鬱病を
患い精神病院に1年間入院した男性が、退院して社会復帰を
目指す困難を描いた作品。入院前の主人公には一緒に暮らす

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12月16日(日)
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