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On the Production
by 井口健二
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■牧師といのちの崖、デッドエンドの思い出(半世界、アイ・フィール、ちいさな独裁者、ナポリの隣人、ライ麦畑の反逆児、宵闇真珠、雪の華)
他に韓国からペ・ヌリ、ドン・ヒョンベ、アン・ボヒョン、
イ・ジョンミン。いずれも韓国テレビで活躍中の俳優のよう
だ。
これに対し日本からは、2005年『魔法戦隊マジレンジャー』
などの平田薫、2017年11月5日「第30回東京国際映画祭」で
紹介『アイスと雨音』に出演の若杉凩(当時の名前は若杉実
森)らが脇を固めている。
脚本と監督は、2009年の短編映画「The after…」が広島の
映画祭でグランプリを受賞。その後にあいち国際女性映画祭
に招待され、名古屋で日韓合作の短編作品も手掛けたという
チェ・ヒョンヨン。
その後は韓国で、外国映画の買い付け配給や映画スタッフの
環境改善にも尽力しているという才媛が、長編監督デビュー
を飾っている。
正直に言ってこの手の作品を自分が紹介するとは考えていな
かった。しかし本作に関しては何処か自分の感覚に触れると
ころがあり、書くべきところはあまり無かったのだけれど紹
介することにした。
それは何か人の痛みが判っているような作品であり、いろい
ろな面で巧みに作られている作品だ。原作の良さもあるのだ
ろうが、それを設定を変えてさらに巧みに引き出した作品と
も言えそうだ。
公開は2019年2月2日から名古屋のシネマスコーレにて先行
上映の後、東京は2月16日より、新宿武蔵野館他で全国順次
ロードショウとなる。
この週は他に
『半世界』
(2016年4月紹介『団地』などの阪本順治監督と、元ジャニ
ーズの稲垣吾郎の主演で、今年の東京国際映画祭コンペティ
ション部門に出品されて観客賞を受賞した作品。父親の後を
継いで炭焼き職人となった男の前に、自衛隊を除隊してきた
幼馴染が現れる。そして親が営む中古車屋の息子と3人で、
40歳目前のひと時を過ごすことになるが…。共演は長谷川博
己、池脇千鶴、渋川清彦。他に竹内都子、堀部圭亮、石橋蓮
司らが脇を固めている。地方の過疎化から自衛隊の海外派遣
まで、今の日本を象徴する様々な事象が語られるが、それら
が主人公の生き様に上手く絡まってこない。実際に映画祭の
審査委員長を務めたフィリピン人監督からは批判的な意見が
出されたようだが、阪本監督の割には映画としての骨格が定
まっていない感じがした。主演俳優のファンにはこれでOK
だったようだが…。公開は2019年2月15日より、東京はTOHO
シネマズ日比谷他で全国ロードショウ。)
『アイ・フィール・プリティ! 人生最高のハプニング』
“I Feel Pretty”
(2017年1月15日題名紹介『エイミー、エイミー、エイミー
!』などのエイミー・シューマー製作、主演で、容姿に自信
のない女性がほんの少しの切っ掛けで自分の道を切り開いて
しまうコメディ作品。主人公はかなり太めの体形で、容姿に
も全く自信のない女性。そんな女性がジムのエアロバイクか
ら転落し、意識不明から目覚めた時、彼女は魔法の力で自分
の見た目が絶世の美女になったと思い込む。そのため超ポジ
ティヴになった彼女は仕事に恋に邁進し、全てに良い結果を
産み出すが…。共演はミシェル・ウィリアムズと、昨年73歳
でVOGUE 誌の表紙を飾り話題になったローレン・ハットン。
脚本と監督は、2012年4月紹介『君への誓い』などの脚本家
コンビ=アビー・コーン&マーク・シルヴァースタインが監
督デビューも飾っている。物語は願望充足型だが、落としど
ころが上手くて嫌味に感じさせない。巧みな作品だ。公開は
12月28日より、全国ロードショウ。)
『ちいさな独裁者』“Der Hauptmann”
(ドイツ出身で2017年5月紹介『ダイバージェント FINAL』
などのロベルト・シュヴェンケ監督が16年振り母国に戻り、
脚本と共に手掛けた実話に基づくとされる作品。第2次世界
大戦末期の北部戦線で、ふとしたことから将校の軍服を手に
入れた脱走兵が、その将校になりすまして脱走兵の収容所を
訪れ、権威を振りかざして暴虐の限りを繰り広げる。それは
正に戦争の狂気とも呼べるものだが、結末にはかなり呆然と
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11月25日(日)
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