ID:47635
On the Production
by 井口健二
[459710hit]
■ヒューマンフロー(アリー、アメリカン、セルジオ&、MOST、キックス、マシュー・B、TAXi、愛と銃弾、まぼろしの、それだけが、この道)
ガと、初監督も兼ねるブラッドリー・クーパー。元はクリン
ト・イーストウッド監督の企画だったが、盟友とも言えるク
ーパーが実現した。公開は12月21日より全国ロードショウ。
東京国際映画祭のオープニングも飾る。)
『アメリカン・ミュージック・ジャーニー』
“America's Musical Journey”
(両親はパナマからの移住者という南カリフォルニア出身の
シンガーソングライターが、新曲制作のためにアメリカ音楽
のルーツを訪ねるドキュメンタリー。内容は奴隷たちの歌に
始まり、ルイ・アームストロングやエルヴィス・プレスリー
などアメリカ音楽史が綴られたもので、それがアメリカ各地
の風景と共に実に判り易く提示されている。正直には、後半
にIMAGINE という文字がチラリと映るが、イギリスを除いた
アメリカ音楽が興味深く描かれた作品と言える。正に入門編
という感じの作品だ。因に鑑賞したのは通常の試写会場だっ
たが、エンドクレジットには15/70IMAXという表記があり、
制作は70o15Perforations横送りの正規IMAXで行われたよう
だ。そして画面でも魚眼風のレンズが多用されており、これ
はIMAX、若しくはIMAXドームで観たくなるものだが、原状の
日本ではその上映は難しそうだ。公開は11月16日より、東京
は新宿武蔵野館と全国イオンシネマで限定ロードショウ。)
『セルジオ&セルゲイ 宇宙からハロー!』
“Sergio and Serguéi”
(日本ではカップヌードルのCMにも登場した旧ソ連の宇宙
飛行士の実話に、大幅なフィクションを加えて映画化したキ
ューバ作品。時は1991年、登場するのは旧ソ連の宇宙ステー
ション・ミールに滞在するセルゲイ。実は滞在期限は過ぎて
いたが、母国の政情不安から交代要員の派遣が決まらず滞在
が延長されていた。そして12月、ソ連邦の崩壊によって滞在
は無期限とされてしまう。一方のセルジオはキューバ国民。
モスクワ留学の経験もある彼は真の共産主義者だったが、ア
マチュア無線の趣味からアメリカ人との交信もあり、要注意
人物でもあった。そんな彼が宇宙からの無線を傍受し、宇宙
飛行士の窮状を知ることになる。しかもステーションには危
機が迫っていた。物語の大半は作り物だが、当時の世界情勢
との絡みなどは辛辣で面白い。主演2人はキューバ俳優で、
ロン・パールマンがゲスト出演している。公開は12月1日よ
り、東京は新宿武蔵野館他で全国順次ロードショウ。)
『MOST BEAUTIFUL ISLAND』“Most Beautiful Island”
(スペイン出身の女優アナ・アセンシオが、自らの体験を基
に描いたとする初監督作品。2017年SXSW映画祭で最高賞
の審査員大賞を受賞した。ニューヨークに暮らす不法移民の
女性がドレスを着て出席するだけで高額のギャラが貰えると
いうパーティに参加。しかしそこはサディスティックなセレ
ブが集う危険なパーティだった。そこで彼女が体験した出来
事とは…。出演は監督自身が主人公も演じ、他に日テレのア
メリカチャンネルにも出ているというロシア人のナターシャ
・ロマノヴァらが脇を固めている。テーマ的には2018年9月
23日題名紹介『MAKI』に共通するかな。ただし主人公の
体験する内容が、これが実体験と言われると言葉はないが、
セレブの遊びという割には低レヴェルで漫画チック。先の作
品の方が社会性もあって現実的のように感じられた。でもま
あこれも現実なのだろう。公開は2019年1月12日より、東京
は新宿シネマカリテ他で全国順次ロードショウ。)
『キックス』“Kicks”
(2012年“Nani”という短編作品で多くの受賞に輝いている
ジャスティン・ティッピング監督による長編デビュー作。憧
れのエア・ジョーダンを漸く手に入れた少年が、隣町の不良
グループに襲われてスニーカーを奪われ、強敵の手からそれ
を取り返そうと奮闘する姿を、ロサンゼルスのスラム街の様
子や若者たちが熱中するスニーカー・カルチャーなどと共に
描く。主演は新人のジャーキング・ギロリー。他にもクリス
[5]続きを読む
10月21日(日)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ
[4]エンピツに戻る