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On the Production
by 井口健二
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■single mom、ボクはボク(ピアソラ、おかえり、アラン・デュカス、ハナレイ、ぼけますから、選挙に出たい、Journey、ヨーロッパ横断)
て行く状況の中、経営の立て直しのため招かれた新館長は、
ベテランの飼育員リーダーに代えて「クジラバカ」と自他共
に認める純粋な若者を新リーダーに抜擢。それと共に東京か
ら新たなトレーナーがやって来るが…。
交代させられた前リーダーやその取り巻きたちとの確執や、
さらには新婚家庭に問題を抱える飼育員など、様々な人間模
様が交錯する中で、博物館再興のプランが新リーダー、新ト
レーナーらの間で練られて行く。果たしてそのプランは実現
し、博物館に客足を取り戻すことはできるのか?
出演は、ホリプロ50周年事業「身毒丸」のオーディションで
グランプリを獲得し、2018年5月13日題名紹介『空飛ぶタイ
ヤ』などにも出演の矢野聖人と、2018年5月紹介『世界でい
ちばん長い写真』などの武田梨奈、それに和歌山県出身で、
2017年2月紹介『サクラダリセット』などの岡本玲。
他に、近藤芳正、鶴見辰吾らが脇を固めている。
脚本は本作のプロデューサーも務める菊池誠が担当、監督は
2015年に『U・F・O Ushimado's Fantastic Occurrence
うしまどの、ふしぎなできごと』という作品を発表している
藤原知之が手掛けた。
ところで武田梨奈は、2018年9月16日題名紹介『殺る女』と
きにも「そろそろ何かを期待したい」と書いたが、本作では
けり一発と、本人ではないけど「ぷしゅー」の台詞もあって
ファン的にはそれなりに満足かな。
それに加えて本作では、当初はスタントマンの吹き替えも考
えられたクライマックスのクジラとのパフォーマンスを見事
に自身で決めており、さすがの空手で鍛えた身体能力とそれ
をやり遂げる根性にも感動させて貰えた。
それにしても武田は、2013年11月紹介『祖谷物語』の徳島県
以降、2016年5月22日題名紹介『海すずめ』の愛媛県、今年
は『世界でいちばん…』の愛知県に続き本作の和歌山県と、
地方発信ドラマに着実に出ているのも頼もしい。
因に武田は、動物愛護アンバサダーとしての活動もしている
そうだ。
さらに本作は、物語の後半に反捕鯨団体の話なども登場し、
抑えるところはしっかりと押さえた作品になっている。
公開は、10月12日から和歌山県で先行上映の後、11月3日よ
り、東京はシネリーブル池袋他で全国ロードショウとなる。
この週は他に
『ピアソラ 永遠のリベルタンゴ』
“Astor Piazzolla inédito”
(1921年アルゼンチンに生まれ、タンゴを単なる踊りの伴奏
から演奏と認められるまでに進化させ、タンゴに革命を起こ
したとされるバンドネオン奏者で作曲家アストル・ピアソラ
の生涯を、家族所蔵の映像を基に描いたドキュメンタリー。
本国の生まれだが、幼い頃に一家はニューヨークへ移住し、
15歳までの暮らしでジャズなどに親しむ。そこでタンゴへの
興味は薄かったがバンドネオンの演奏で認められ、帰国後に
父親が開いたレストランで演奏活動を開始。タンゴに目覚め
て行く。しかし活動に行き詰まりパリへ留学。彼の地で再認
識に至るが、帰国後に行った先鋭的な演奏では「タンゴの破
壊者」とも罵られ、命を狙われるようにもなってしまう。そ
んな20世紀を代表するともされる音楽家の激動の生涯が描か
れる。作中には華麗な演奏シーンも多数登場し、音楽好きに
は堪らない作品と言える。公開は12月1日より、東京は渋谷
Bunkamuraル・シネマ他で全国順次ロードショウ。)
『おかえり、ブルゴーニュへ』“Ce qui nous lie”
(2006年4月紹介『ロシアン・ドールズ』などのセドリック
・クラピッシュ監督が、ワイン生産者の一家を描いた新作。
10年前に父親への反発から海外に飛び出していた長男が、父
危篤の報に帰ってくる。その生家は妹が守っており、末弟は
大規模ワイナリーの婿養子となっていたが、それぞれ悩みも
抱えていた。そして父親が死去し、その相続の問題が発生す
る。そんな中でブドウの収穫期が訪れ、新酒の仕込みが始ま
るが…。2018年7月22日題名紹介『ウスケボーイズ』に続い
てのワインの話で、日本とフランスの文化の違いはあるもの
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09月30日(日)
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