ID:47635
On the Production
by 井口健二
[459719hit]

■A GHOST STORY(殺る女、13回の新月のある年に、遊星からの物体X、アンクル・ドリュー、シャルロット−すさび−)
いところだ。お話としてはかなり定番な感じで、希望として
は登場人物それぞれの背景をもう少し描き込んで欲しかった
かな。特に駿河の役柄は2つの時点のギャップが大きくて、
少し違和感にもなってしまった。公開は10月27日より、東京
はシネ・リーブル池袋他で全国ロードショウ。)

『13回の新月のある年に』
            “In einem Jahr mit 13 Monden”
(2016年2月紹介『あやつり糸の世界』などのライナー・ヴ
ェルナー・ファスビンダー監督による1978年の作品。ニュー
・ジャーマン・シネマが脚光を浴びた『マリア・ブラウンの
結婚』と同年に製作されながら、日本未公開だった作品がリ
マスターによって劇場初公開される。主人公は性転換手術で
女性になり、同時に記憶を失った。そんな主人公が初老の娼
婦の助けを得て自らの過去を探求する。そこには数奇な人生
が隠されていたが…。物語は回想シーンなどを一切使わず、
全てが関係者の証言で綴られる。それは新たな映画ムーヴメ
ントの到来を告げたとも言える括目すべき作品だ。出演は、
『マリア・ブラウン』に続いてのフォルカー・シュペングラ
ーと、監督のパートナーでもあったイングリット・カーフェ
ン。そして後に『007/ゴールデンアイ』に登場するゴットフ
リート・ヨーン。公開は10月27日より、東京は渋谷ユーロス
ペース他で全国順次ロードショウ。)

『遊星からの物体X』“The Thing”
(1982年に公開されロブ・ボッティンの独創的な造形で話題
になったジョン・カーペンター監督作品がリマスターにより
再公開される。公開時は1952年『遊星よりの物体X』のリメ
イクと紹介され、ド派手な本作には違和感があったりもした
ものだが。今回観直してこれはリメイクではなく52年版の続
きであることを確認した。そしてXが次々変身し、遂には人
間に紛れ込んでいるかもしれないという展開には、ジョン・
W・キャンベルJr.の原作に回帰した嬉しさも伝わった。但
し造形の派手さに目を奪われることには変わりなかったが。
出演は、2017年5月紹介『ガーディアンズ・オブ・ギャラク
シー リミックス』などのカート・ラッセル。他に、2010年
1月紹介『噂のモーガン夫妻』などのウィルフォード・ブリ
ムリー、2012年12月紹介『クラウド・アトラス』などのキー
ス・デイヴィッドらが登場する。公開は10月19日より、東京
は丸の内ピカデリー他で全国順次ロードショウ。)

『アンクル・ドリュー』“Uncle Drew”
(2012年に話題になったペプシのCMを基にしたコメディ作
品。リオ五輪金メダリストのNBAスター選手カイリー・ア
ーヴィングが老人メイクでタイトルロールに扮し、他にも人
気の選手たちが同様の扮装でストリート大会に挑む。共演は
MTVアワード・コメディ部門受賞者のリルレル・ハウリー
とティファニー・ハディッシュ。監督は2004年公開『ドラム
ライン』などのチャールズ・ストーン3世。最近日本のヴァ
ラエティ番組で著名なアスリートが老人メイクで子供の試合
に参加するというのを見たが、これが基だったのかな。それ
にしても、単に試合に参加するだけでなく、選手を集める展
開や各自の背景までしっかりと面白おかしく描くのは流石と
いう感じの作品だ。そして試合ではパフォーマンスは勿論、
その顛末も巧みに描かれている。見事なエンターテインメン
トだ。公開は11月9日より、東京はTOHOシネマズシャンテ他
で全国ロードショウ。)

『シャルロット−すさび−』
(1945年生まれ、1988年に渡仏してノルマンディーを拠点に
パフォーマンスを展開する舞踊家の岩名雅記が、2004年に開
始した映画製作の第4作。なお過去の作品は世界各地の映画
祭で公式上映され、回顧上映なども行われているようだ。そ
の岩名が本作では、soundanceと称する打楽器演奏と舞踊を
融合したパフォーマンスを行う成田護を主演に迎え、成田が
以前に行ったコップに支えられたガラス板上でのパフォーマ
ンスを基に、現実と幻想が交錯する物語を展開する。そこに

[5]続きを読む

09月16日(日)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ

[4]エンピツに戻る