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On the Production
by 井口健二
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■青の帰り道、INGRESS(栞、飢えたライオン、あの頃、エリック・クラプトン、クレイジー・R、恐怖の報酬、人魚の眠る家、ブレイン・G)
女性の保護を求めるが、その直後に2人は襲われ、研究者の
男性が拉致される。
一方、保護対象だった女性は、とある研究所でXMに纏わる
重大な秘密を知ってしまう。そして警備員らに追い詰められ
るが、そこで拉致された男性と引き合わされ、その直後に研
究所で爆発が巻き起こる。
その事件現場に、警視庁・嘱託特殊捜査官の主人公がやって
来る。彼は物体に触れるとそこに記憶された情報を感知する
「サイコメトラー」の能力を有していた。そして彼が昏睡状
態で発見された女性の指輪に触れた時…。
という状況が判明するのがエピソード2ぐらいだが、物語は
そこまでほぼアクションの連続で綴られて行き、それにぽつ
ぽつと謎が散りばめられている感じだ。それは中々巧みな展
開で、基のゲームを知らない僕でも引き込まれた。
監督は、2015年公開の岩井俊二監督作品『花とアリス殺人事
件』でCGディレクターを務めた櫻木優平。セルルックであ
りながら全て3DCGの「スマートCGアニメーション」と
称される、こだわりの映像が展開される。
正直に言って物語は途中までなので、全体的な評価はできな
いが。「ポータル」と呼ばれる現実の地点を巡る陣取り合戦
が、放送が始まるとゲームの状況ともリンクして進められる
とのことで、これは社会も巻き込んだ展開になりそうだ。
ただし、絶対的な権力を持って登場する第3陣営の実態や、
「ポータル」と主人公らの能力との関連性などがまだ明白で
はなく。さらにエピソード5以降では舞台が全世界にも広が
るようで、興味は尽きない作品だ。
放送はフジテレビの他、関西テレビ、東海テレビ、テレビ西
日本、北海道文化放送、BSフジの各局でも行われ、さらに
NETFLIXにて全世界配信も実施される。

この週は他に
『栞』
(大きな病院で患者のリハビリなどに携わる理学療法士の姿
を描いた作品。描かれる患者は3人で、難病の幼児と、脊椎
損傷のアスリート、それに主人公の父親。ただし実践的なリ
ハビリの様子が描かれるのはアスリートだけで、後の2人に
関しては人間関係の様子を描くに留まる。その辺が実は映画
の描き方として正しいかどうか疑問に感じたところで、特に
幼児に関しては後半の重要なポイントでもあるので、その病
名と共に主人公が行ったリハビリの内容も具体的に知りたか
った。ただ本作は元々が理学療法の関係者に見せる目的で制
作されたそうで、専門家の目で観ると別の評価になるものな
のかもしれない。出演は三浦貴大。他に鶴見辰吾らが脇を固
めている。原案と脚本、監督は理学療法士の資格を持つ榊原
有佑。これが現実ということなのだろうけど、もう少し何か
ドラマティックなものが欲しかったかな。公開は10月26日よ
り、東京は新宿バルト9他で全国ロードショウ。)

『飢えたライオン』
(昨年の東京国際映画祭でプレミア上映され、その後に海外
の映画祭などで評価されて、ティーチインを伴う学生向けの
特別上映なども行われているというSNSを題材にしたドラ
マ作品。性犯罪で教師が連行され、その教師の許から流出し
た映像に教え子である主人公が映っているとの噂が流れる。
その噂をデマだと主張する主人公だったが、事態は徐々に彼
女を追いこんで行く。脚本と監督は、2013年公開『子宮に沈
める』などの緒方貴臣。実は前作も試写で観ていたが、何と
言うか重大な社会問題を扱っている割には描写が表面的で、
しかも主人公に集中し過ぎて周囲が見えてこない。そんなも
どかしさを感じた。それは本作も同じで、宣伝コピーなどか
らは傍観者であることの罪を主張したいようだが、これでは
制作者自身も同罪であるように感じる。それが目的かも知れ
ないが。公開は9月15日より、東京はテアトル新宿他で全国
順次ロードショウ。)

『あの頃、君を追いかけた』
(2011年公開の台湾映画“那些年,我們一起追的女孩”(邦
題は同じ)を、2018年4月15日題名紹介『虹色デイズ』など
の山田裕貴と、「乃木坂46」の齋藤飛鳥の主演でリメイクし

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09月02日(日)
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