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On the Production
by 井口健二
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■ワンダーランド北朝鮮、私の人生なのに(7号室、悲しみに、ポップ・アイ、ラ・チャナ、バッド・G、オーケストラ・C、スターリンの葬送)
そんなある日、彼女は通学の駅に向かう川縁の道で、幼馴染
だった若者に出逢う。2人は高校の学園祭で一緒に歌い盛り
上がった仲だったが、若者の突然の引っ越しで以後は音信不
通だった。その若者は彼女に一緒に歌おうと誘い掛ける。
その誘いにすぐには乗れない主人公だったが…。
共演は、2015年『仮面ライダードライブ』や2017年10月29日
題名紹介『HiGH&LOW』などの稲葉友。他に2018年1月21日題
名紹介『ROKUROKU』などの落合モトキ、2017年10月紹介『花
筐』などの根岸季衣らが脇を固めている。
脚本と監督は、2015年根岸季衣出演の『Drawing Days』や、
2016年知英主演の『全員、片想い』などの原桂之介。
日本代表を目指すアスリートが脊髄損傷の悲劇から立ち直る
話では、2009年1月に『パラレル』を紹介しているが、実話
に基づく同作に対して本作はフィクション。しかも原作は、
2017年12月紹介『レオン』(主演・知英)などの清智英原案
によるライトノヴェルだから、内容は知れる。
とは言え、2009年作はスポーツtoスポーツの転身で、どちら
かと言うとスポ根ものに近い内容だったから、それに比べる
と本作はいろいろドラマティックだったりはする。それは観
る方も気楽であったりもするし、それなりの面白さも生じる
ものだ。
また、映画の後半には知英の歌声も聞けて、ファンには嬉し
い作品と言えそうだ。
因に東京パラリンピック2020の実施種目に新体操は含まれて
いないようで、映画の鑑賞中にそういう道はないのかと考え
ていた僕にはちょっと意外だった。車椅子による競技ダンス
は2024年のパリ五輪を目指すという話を聞いており、オリン
ピックの華とも言われる体操競技が全く無視されているのは
意外だったものだ。
公開は7月14日より、東京は新宿バルト9他で全国ロードシ
ョウとなる。
この週は他に
『7号室』“7호실”
(店舗の売却を目論むレンタルDVD店の店主が、事故で死
んだ従業員の死体を隠そうとするブラックコメディ。自分が
子供の頃に観た舞台中継で、大衆食堂に来た客が料理を注文
した直後に急死し、その事実を隠そうとする料理人らが右往
左往するという内容のものがあり、観た当時にもひどい話だ
なあと思った記憶があるが、本作もそれに通じる。ただし本
作ではそこに薬物の密売などが絡み複雑になってはいるが。
人間の本性は何時まで経っても変わらないということなのだ
ろう。脚本と監督は、2013年“10 Minutes”(英語題名)と
いう作品で釜山国際映画祭の観客賞などを受賞しているイ・
ヨンスンの第2作。出演は、2018年1月21日題名紹介『悪女
AKUJO』などのシン・ハギュンと、2017年3月5日題名紹介
『あの日、兄貴が灯した光』などのアイドルグループEXO
のディオ。公開は8月4日より、東京はシネマート新宿他で
全国順次ロードショウ。)
『悲しみに、こんにちは』“Estiu 1993”
(本作でゴヤ賞新人監督賞などを受賞した女性監督カルラ・
シモンの自伝的デビュー作。巻頭で幼い少女が祖母から引き
離され、都会の家から田舎の親戚の家に引き取られる。その
家には彼女より幼い娘がいた。こうして馴れない田舎暮らし
に放り込まれた少女は、周囲との軋轢の中で何とか居場所を
見つけようとするが…。最初は不明な少女の境遇が徐々に明
らかにされ、その中で少女が状況を受け入れるまでの葛藤が
描かれる。苛めなどがある訳ではないが、ちょっとしたこと
が少女の立場を悪くする。しかもそこには少女の心に秘めた
思いもある訳で、そんな微妙な物語が丁寧な演出の中で描か
れて行く。出演は共に新人のライア・アルティガスとパウラ
・ロブレス。スペイン・カタルーニャの田園を背景に、僕は
1952年の『禁じられた遊び』を少し思い出したかな。そんな
悲しみに満ちた物語が展開される。公開は7月下旬、東京は
渋谷ユーロスペース他で全国順次ロードショウ。)
『ポップ・アイ』“Pop Aye”
(2017年東京国際映画祭「アジアの未来」部門で上映された
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06月17日(日)
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