ID:47635
On the Production
by 井口健二
[459730hit]
■モダン・ラブ、世界でいちばん長い写真(空飛ぶタイヤ、ウタモノガタリ、エヴァ、ウインド・R、君が君で、菊とギロチン、チャーチル)
実話はカメラ製作者である山本新一氏が、2000年12月18日に
愛知県知多郡美浜町にある日本福祉大学付属高等学校で撮影
した「クラブ活動の一年」という作品だが、それを本作では
撮影者を高校生にして躍動感のある物語にしている。
しかも映画には、山本氏が製作した360度撮影の初号機と、
世界記録を撮影した4号機の実機が登場して、実際に動いて
撮影も行うのだから、これらはメカマニアには垂涎のシーン
と言えるものだ。
主演は、2017年12月3日題名紹介『プリンシパル 恋する私
はヒロインですか?』や、2018年4月15日題名紹介『虹色デ
イズ』などの高杉真宙。
他に2015年8月紹介『木屋町DARUMA』などの武田梨奈、au
のCMでも人気の2018年4月紹介『名前』などの松本穂香。
さらに2016年8月28日題名紹介『BOYS AND MEN』などの水野
勝、2017年7月紹介『仮面ライダーエグゼイド』などの黒崎
レイナ。また吉沢悠、小松政夫らが脇を固めている。
脚本と監督は、2007年大杉漣主演『Mogera Wogura』などの
草野翔吾。早稲田大学映画研究会出身、俊英の作品だ。
高校生の写真がテーマの映画は先にも観ているが、静止画像
の写真を動画像の映画にすることは案外難しい。そこを本作
では、クライマックスに巧みなアクションを付加することで
それを成功させている。
以前にも書いたと思うが、若い人が全力で疾駆する姿はそれ
だけで絵になるしドラマになるもので、本作の監督はその辺
もよく理解している。まあ前に観た高校生写真部の映画でも
走るシーンはあったが、本作にはその想いが直に伝わってく
る巧みさがあった。
公開は6月23日より、東京はシネ・リーブル池袋の他、全国
のイオンシネマでロードショウされる。
この週は他に
『空飛ぶタイヤ』
(「半沢直樹」シリーズなどの池井戸潤原作による映画化。
因に池井戸作品の劇場映画化は初だそうだ。中規模運送会社
の社長を主人公に、死亡者の出た脱輪事故の原因を整備不良
の認定から企業犯罪の暴露に繋げる顛末が描かれる。それに
しても企業の設定は、どう見ても三菱自工が特定されるし、
原作者は元三菱銀行の行員だそうで、この展開はかなり凄い
ところだ。ただしお話自体は、内部告発など多少ご都合主義
な感じが散見され、これが受けてしまう日本の読者が不安に
なった。まあ小説ではもっと状況が描き込まれているのだろ
うが。出演は長瀬智也、ディーン・フジオカ、高橋一生、深
田恭子、岸部一徳ら、相当の顔触れが並んでいる。監督は、
2011年11月紹介『おかえり、はやぶさ』や、2016年5月29日
題名紹介「超高速!参勤交代」シリーズなどの本木克英。公
開は6月15日より、東京は丸の内ピカデリー他で全国ロード
ショウ。)
『ウタモノガタリ CINEMA FIGHTERS project』
(EXILE HIROと、短編映画祭を主宰している俳優別所哲也、
それにEXILEの楽曲を手掛ける作詞家小竹正人のコラボレー
ションによる全6話の短編集。因に本作は第2弾だそうだ。
小竹が新たに作詞した6曲を基に、2011年9月紹介『ハラが
コレなんで』などの石井裕也、2010年1月紹介『カケラ』な
どの安藤桃子、アニメーション監督平林勇、2016年8月7日
題名紹介『古都』などのYuki Saito、沖縄の岸本司、2011年
1月紹介『ピュ〜ぴる』などの松永大司の新鋭監督が結集。
池松壮亮、塚本晋也、夏帆、石井杏奈、佐津川愛美らの出演
でそれぞれの物語が描かれる。6作の中では安藤監督作品が
多少SF的な要素もあって興味を持ったかな。後は平林監督
の作品も少し異なる趣があった。しかし後の4本はコンセプ
トがほぼ同じで…。その中では石井監督の作品は強烈だった
が。松永監督作品は、もっと早く見せて欲しかった。公開は
6月22日より、全国ロードショウ。)
『エヴァ』“Eva”
(イギリスのミステリー作家ジェイムズ・ハドリー・チェイ
スの原作を、舞台演出も手掛けるフランスの映画監督ブノワ
・ジャコが、イザベル・ユペール、ギャスパー・ウリエルを
[5]続きを読む
05月13日(日)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ
[4]エンピツに戻る