ID:47635
On the Production
by 井口健二
[459730hit]
■名前(縄文に、仮面ライダーA、カメラを止、母という名、ルイ14世、明日にかける、バトル・S、レディ・B、30年後、犬ヶ島、ゼニガタ)
Amazonプライム・ビデオ初の日本オリジナル作品として製作
された新シリーズの完結編。実はシリーズは観ていないが、
本作では人工生命体アマゾンズの殲滅作戦が佳境を迎え、主
人公を含む2体だけが残っているという設定。そして山奥の
村に追い詰められた主人公の前に、人類の危機を背景とした
アマゾンズを巡る新たな展開が登場する。人工生命体という
設定からテーマには2010年12月紹介『わたしを離さないで』
に通じるものも感じられる。アクション中心だがそれなりに
奥深いものもある作品だ。なお描写には地上波テレビ向きで
はない(?)と思わせるものも登場する。出演は藤田富、谷口
賢志、武田玲奈。監督は石田秀範、脚本の監修を小林靖子が
務める。公開は5月19日より全国ロードショウ。なお本作に
先立ってシリーズの総集編も2作公開される。)
『カメラを止めるな』
(2017年11月にイヴェント上映されて大好評を博したという
映画専門学校「ENBUゼミナール」製作の作品。巻頭に37分に
及ぶ1カメラ、1カットのゾンビ映画が登場し、そこからそ
の映画のメイキングのようなバックステージのドラマが展開
される。脚本と監督は、短編映画では各地の映画祭で話題を
振りまいたという上田慎一郎の長編第1作。巻頭の展開では
多少まだるっこしいシーンもあるが、それらの理由は後半で
説明される。その流れは映画ファンのツボには嵌るかな?
でも一般の観客にはどうなのだろう。特に巻頭の部分が多少
稚拙に見えてしまうのは、映画としては勿体ない気がした。
ただしエンディングロールの登場する映像には、本作の別の
側面も見えてくるもので、ここには監督のしたたかさが感じ
られて、正しく脱帽した。公開は6月23日より、東京は池袋
シネマ・ロサ、新宿K's cinemaにて2館同時上映。)
『母という名の女』“Las hijas de Abril”
(2012年『父の秘密』、2015年『或る終焉』でカンヌ国際映
画祭「ある視点」部門の連続受賞を果たしているメキシコ人
監督ミシェル・フランコの最新作。リゾート地に暮らす姉妹
を中心に、幼くして妊娠した妹とそこに現れる母親の確執が
描かれる。とは言うものの、筆者が男性の目で傍から見る感
じだと、正にいやはやという感じかな。日本でもこういう親
のことは「毒親」などの言葉で一般化しているようだが、人
の闇を描き続けるフランコ監督の目には格好の題材だったよ
うだ。出演は、2016年8月28日題名紹介『ジュリエッタ』で
ゴヤ賞受賞のエマ・スアレス。他に、アナ・バレリア・ベセ
リル、エンリケ・アリソン、ホアナ・ラレキ。それにしても
男性には判り難いというか…。でも言葉が一般化するほどの
状況があることも事実なのだろう。公開は6月16日より、東
京は渋谷ユーロスペース他で全国順次ロードショウ。)
『ルイ14世の死』“La mort de Louis XIV”
(「朕は国家なり」の言葉でも知られるフランス王国国王の
最晩年を描いた作品。1715年9月1日に崩御するまでの数日
間が、まるでタイムマシンに乗って現地に行ったかのように
克明に描写される。「ギネス世界記録」にも認定される史上
最長72年もの治世を行い、太陽王とも称される栄華を極めた
国王は、その一方で度重なる戦争によって国を疲弊させ、晩
年には国民の心も離れていたとされる。そんな国王の陳腐と
も言える死の様子。それは他国人の目からすると「だから何
なの」と言いたくなるようなものでもあるが、その国民から
すれば、ある種の覗き見をしたくなるようなものなのかもし
れない。出演は、ヌーヴェルヴァーグの申し子とも呼ばれた
ジャン=ピエール・レオ。脚本と監督はスペインの鬼才アル
ベルト・セラ。公開は5月26日より、東京は渋谷シアター・
イメージフォーラム他で全国順次ロードショウ。)
『明日にかける橋 1989年の想い出』
(2002年『Returner』で人類の未来を救った鈴木杏が、再び
時間を超えて未来を変えようと奮闘する上映時間2時間11分
の作品。2010年、地方都市の中小企業に勤めるOLの主人公
[5]続きを読む
04月22日(日)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ
[4]エンピツに戻る