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On the Production
by 井口健二
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■バケツと僕!、放課後戦記(おもてなし、ダンガル、私はあなたのニグロではない、さよなら僕のマンハッタン)
の舞台にも主演した市川美織、2011年「東宝シンデレラオー
ディション」審査員特別賞受賞の秋月成美、舞台版でW主演
の他CMやMVに多く出演しているというりりか。
さらに2016年12月18日題名紹介『新宿スワンU』などの小宮
有紗。他に、遠藤新菜、青山心、窪田美沙、井上美那、大野
未来、小泉萌香、片岡沙耶、新田祐里子、加藤美紅、野々宮
ミカら全員女子のキャストが物語を展開する。
原案は、アイドル系ヴァラエティ番組などの構成作家のオク
ショウ。脚本は舞台版も手掛けた桃原秀寿。共同脚本と監督
は、2017年6月4日題名紹介『便利屋エレジー』などの土田
準平が担当している。
異世界の意味合いが何であるかは、この種の映画を観馴れて
いる者にはすぐに判ってしまうが、背景の映像などは定番と
言えば定番だけれど、それなりに判り易くは描かれていた。
その辺は良く映画を知っている感じはしたものだ。
そんな中での死闘の連続は、一部にはアイドル系とは思えな
い過激さも含めてそれなりに頑張っているとは言える。これ
が観客との一体感の強い舞台なら、盛り上がりも必至という
感じだろう。
ただし少し冷静に見ると、少女たちの各々のキャラクターの
立て方が物足りない。実際この設定からすると、それぞれの
キャラクターはもっと様々なトラウマを抱えているはずで、
それらを個々にしっかりと描ければ…。
もちろん全部を描くのは無理にしても、主人公だけではなく
もう何人かのトラウマが描ければ、その分だけ多くの共感を
得られる。描かれるトラウマは重大なものだが、それだけで
は勿体ない。そこが残念に思えるのだ。
公開は4月7日より、東京はシネリーブル池袋、大阪はシネ
リーブル梅田他で全国順次ロードショウとなる。
この週は他に
『おもてなし』
(台湾人男性と日本人女性が、和の心で琵琶湖畔の老舗旅館
を再生して行く姿を描く。女性は父親が他界した後、1人で
切り盛りする母親を見かねて職を辞し、生家に戻ってくる。
その旅館は設備も老朽化し台湾の実業家の支援で何とか存続
している状態だった。そこに実業家の息子が現れ、彼は採算
の取れない旅館を売却するつもりだったが…。ある事情から
「おもてなし」を学ぶ彼らが、老舗旅館の良さに目覚めて行
く。出演は田中麗奈と2009年5月紹介『九月に降る風』など
のワン・ポーチエ。他に余貴美子、木村多江、藤井美菜。さ
らに台湾のヤン・リエ、ヤオ・チィエンヤオ。脚本と監督は
台湾のジェイ・チャン。題名は「裏はあるけどおもてなし」
などと揶揄もされるが、「京のぶぶ漬け」なども引用され、
テーマはよく理解されていたようだ。公開は3月3日より、
東京は有楽町スバル座他で全国順次ロードショウ。)
『ダンガル きっと、つよくなる』“दंगल”
(ダンガルとはヒンディー語でレスリング、特にその選手を
尊敬を込めて呼ぶ言葉だそうだ。そんなインドのレスリング
界で、国内チャンピオンになりながら、家庭の事情で国際舞
台には立てなかった男性が、自分の子供にその夢を託す。物
語は実話に基づいているものだが、『巨人の星』も斯くやの
スパルタ教育や大舞台での一発逆転の大技が、VFXも駆使
した演出で爽快感も生む作品になっている。出演は、2013年
3月紹介『きっと、うまくいく』などのアーミル・カーン。
長女役は先に主演もあるファーティマー・サナー・シャイク
だが、他はザイラー・ワシーム、サニュー・マルホートラ、
スハーニー・パトナーガルらいずれも新人の女優たちがレス
リングに挑んでいる。脚本と監督は自ら物語を発掘したニテ
ーシュ・ティワーリー。公開は4月6日より、東京はTOHOシ
ネマズシャンテ他で全国順次ロードショウ。)
『私はあなたのニグロではない』“I Am Not Your Negro”
(1987年に没した黒人作家ジェームズ・ボールドウィンの遺
作を原作として描いたアメリカ黒人史。1963年6月12日メド
ガー・エヴァ―ス、1965年2月21日マルコムX、1968年4月
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02月18日(日)
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