ID:47635
On the Production
by 井口健二
[459745hit]

■霊的ボリシェヴィキ、フラットライナーズ、ダークタワー、星くず兄弟の新たな伝説
さらに2016年6月19日題名紹介『DOPE ドープ!!』などのカ
ーシー・クレモンズ、2014年『ターナー』などのジェームズ
・ノートン。そしてサザーランドが大学教授の役で顔を出し
ている。
脚本は、2011年8月紹介『ミッション:8ミニッツ』などの
ベン・リプリー。監督は、2009年10月紹介『ミレニアム/ド
ラゴン・タトゥーの女』などのニールス・アルデン・オプレ
ヴが担当した。
1990年のオリジナル版は、確か銀座のヤマハホールで行われ
た完成披露試写会で観たはずだが。正直に言って当時の僕の
感覚では、話は判るが物語の本質のようなものが全く理解で
きなかった印象がある。
それを今回のリメイク版で観直していて、作者の言わんとす
るところは理解できたかな? サイトでオリジナル版の概要
を読むと話はほとんど変わっていないはずだが、細かい描写
の違いなどが、僕の理解力を高めてくれたようだ。
実際当時の演出では、現実と幻影の区別があまり付いておら
ず混乱した記憶があったが、今回はその辺も明確だったよう
に感じる。それはこちらの理解力が上ったせいもあるかもし
れないが。
いずれにしても、禁断の実験が引き起こす恐怖は極めて明確
に理解できたもの。これならSF映画としても秀作と呼べる
作品だ。
公開は12月22日より、全国ロードショウとなる。

『ダークタワー』“The Dark Tower”
スティーヴン・キングが学生時代から半生を掛けて創作した
全7部(邦訳の文庫本では16冊)に及ぶ大河小説の映画化。
映画の主人公はニューヨークに暮らす少年。少年は夜毎に悪
夢を見ており、そこには暗黒の塔が聳え、その塔を護る者と
破壊しようとする者との闘いが続いていた。そして少年は、
その塔の破損が現実世界に災厄を齎していると信じ、絵に描
いて周囲に訴えていたが、信じる者はいなかった。
しかも少年が「妄想」の治療と称して施設に収容されそうに
なった時、少年は啓示を受けて中間世界へと旅立つ。その中
間世界には塔を護るガンスリンガーがいて、その拳銃使いと
行動を共にすることになった少年は、異世界とニューヨーク
を行き来する壮大な闘いと冒険に巻き込まれる。
出演は、少年ジェイク役に新人のトム・タイラー、ガンスリ
ンガー役には2016年9月紹介『スター・トレック BEYOND』
などのイドリス・エルバ、それに黒衣の男役に2016年11月紹
介『ニュートン・ナイト』などのマシュー・マコノヒー。
さらに、2014年3月紹介『ロボコップ』などのジャッキー・
アール・ヘイリー、2015年『アベンジャーズ』などのクラウ
ディア・キムらが脇を固めている。
監督は、子供の頃からのキングのファンで、翻訳を待ちかね
て原書を読むために英語を独学したというデンマーク出身の
ニコライ・アーセル。
脚本は2016年3月紹介『フィフス・ウェイブ』などのアキヴ
ァ・ゴールズマン&ジョン・ピンクナーのオリジナルから、
2007年9月紹介『ある愛の風景』などのアナス・トーマス・
イェンセンと監督のアーセルが執筆している。
原作は最初に書いたように長大なものだが、本作ではそれを
何と1時間35分で描いている。
というのも原作は、キングの著作の集大成とも言われ、様々
な作品の登場人物やその舞台が関ってくるものだが、映画化
ではその中の少年ジェイクの物語だけに絞り、その他の部分
は全て排除しているものだ。
従って原作の読者にはあっけなさ過ぎるものになっているか
もしれないが、実は僕自身が映画化の企画発表の直後に原作
を読み始めて、第1部の途中で投げ出してしまったもので、
その評価は僕にはできない。
しかしキング自身がこの映画化を称賛したという話もあり、
これはこれで有りだということのようだ。
というもの原作を読んでいた時にはその世界観みたいなもの
がなかなか把握できなかったが、この映画化を見るとその点
がかなり丁寧に描かれていて、それを踏まえて改めて原作に
挑戦したくもなった。
その意味ではこの映画化は、原作を妨害せずに読書意欲を掻

[5]続きを読む

11月19日(日)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ

[4]エンピツに戻る