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On the Production
by 井口健二
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■パーティで女の子に話しかけるには、斉木楠雄のΨ難
予期せぬ出来事が主人公を窮地に陥れて行く。
出演は、2017年8月27日題名紹介『氷菓』などの山崎賢人、
『銀魂』などの橋本環奈、新井浩文。さらに2017年8月紹介
『トモダチゲーム』などの吉沢亮、2012年11月紹介『ユダ』
などの笠原秀幸、2017年8月6日題名紹介『茅ヶ崎物語』な
どの賀来賢人。
また、ムロツヨシ、佐藤二朗、内田有紀、田辺誠一らが脇を
固めている。
ホラー作家のスティーヴン・キングが1980年に発表した小説
『ファイアスターター』の中で、超能力者の家に捜索に入っ
た捜査官が大量に配置された消火器を見て、パイロキネシス
の少女を育てた両親の苦労を思うシーンがある。
それは、それまで超能力者の登場する作品を漠然と読んでい
た僕にとっては、目から鱗が落ちる様な衝撃だった。それに
対して本作の主人公は、生まれてすぐから物事をわきまえて
いたという設定で、これは1本取られたと思ったものだ。
とは言うものの、そこから後の超能力の扱いは行き当たりば
ったりというかご都合主義の塊のような展開で、それは原作
がギャグマンガだから仕方がないとは言うものの、もう少し
何か捻りくらいは欲しいと感じた。
でもまあ『銀魂』の時にも書いたが、この監督にはそういう
考えは全くないようで、それがこの監督の取り得でもあるの
だろう。それがSFファン的には大いに歯痒さを感じてしま
うところではあるのだが…。
公開は10月21日より、東京は新宿ピカデリー他で全国ロード
ショウとなる。
今回はいずれもSFの範疇と呼べる日英の2作品を紹介した
が、後の作品がハリウッド張りとも言えるVFX満載なのに
対して前の作品は、衣装の奇抜さを除けば映像的には殆んど
目立つものはない。しかしSFの観点で言えば逆向きのベク
トルで、彼我の差を感じさせる2作品だった。
この週は他に
『二十六夜待ち』
(2001年に『ア・ルース・ボーイ』という原作がNHKドラ
マ化されて芸術祭大賞を受賞している仙台在住の作家・佐伯
一麦による同名原作の映画化。震災ですべてを亡くした女性
と、記憶を失くしてその町に流れ着き、周囲の人の援助で居
酒屋を開いた店主との大人のラヴストーリー。店主には身に
ついた板前の腕があり、それを頼りに身元を調べようとした
りもするが…。出演は井浦新、黒川芽以、諏訪太朗。監督は
2017年6月11日題名紹介『海辺の生と死』などの越川道夫。
原作者の佐伯は私小説作家だそうで、成程そんな感じの作品
と言える。正直ドラマ的には何も起こらないが、しっとりと
した雰囲気が素敵な情感を生み出している。公開は12月23日
より、東京はテアトル新宿他で全国順次ロードショウ。)
『5パーセントの奇跡 嘘から始まる素敵な人生』
           “Mein Blind Date mit dem Leben”
(先天性の網膜剥離が成人して発症し、殆んど視力を失った
若者が子供のころからの夢だったホテルマンを目指して奮闘
する。実話に基づくとされる作品。若者は症状を隠して研修
に応募するが、当然あらゆるところで失敗が続く。しかしそ
れにめげずに努力を重ね、周囲の協力者や思いやりにも恵ま
れて…。物語は他の要素も絡めて描かれている。映画の最後
に本人の写真も登場して実話と判るが、一見健常者と変わら
ない風采は、逆に普段の生活でも苦労が多いのだろうと察せ
られる。ここに描かれた本人の努力も素晴らしいが、観客に
そんなことも思わせるほど映画も巧みに作られていた。公開
は2018年1月13日より、東京は新宿ピカデリー、角川シネマ
有楽町他で全国順次ロードショウ。)
『コードギアス 反逆のルルーシュT 興道』
(2006年10月〜2007年3月及び2008年4月〜9月に放送され
た全50話のテレビアニメに新規映像を加え、全編新規アフレ
コで再構成し、3部作で公開される劇場版の第1部。日本を
含む世界の殆んどがブリタニアと呼ばれる大国に支配された
並行世界が舞台の物語。その世界で相手に自分の意思を押し
付ける超能力を得た日本留学中のブリタニアの少年が、母親

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10月15日(日)
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