ID:47635
On the Production
by 井口健二
[459773hit]
■ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー リミックス、ジーサンズ はじめての強盗、ウィッチ、ゴールド 金塊の行方、約束の地 メンフィス
を固めている。
監督は、2015年『WISH I WAS HERE 僕らのいる場所』などの
ザック・ブラフ、脚本は、2015年『ヴィンセントが教えてく
れたこと』などのセオドア・メルフィ。両作とも試写は観て
いて、共に心温まる素敵な作品だったと記憶しているが、自
分のテリトリーではなかったので割愛したものだ。
因に脚本は、1979年にジョージ・バーンズ、アート・カーニ
ー、リー・ストラスバーグらが共演した同名の作品に基づく
とされている。
何たって名優たちの共演に、脇にも芸達者が揃っているから
安心して観ていられる作品だ。とは言うものの最後はちょっ
と驚かされたもので、この結末は日本映画ではいろいろ配慮
して採用されないのではないかな。
それにしても、犯行に使うマスクがレーガンやニクソンでな
く、この人たちというのもさすがハリウッドという感じで、
これが向こうでは受けるんだよね。因に1979年のオリジナル
ではマルクス3兄弟だったようで、その変遷も興味深い。
いずれにしても、これはハリウッドらしさが横溢した作品と
言えそうだ。もっとも銀行の横暴と不透明な年金問題、それ
に警察の無能ぶりは、世界共通のテーマかもしれないが。
公開は6月24日より、全国ロードショウとなる。
『ウィッチ』“The VVitch: A New-England Folktale”
1630年のアメリカ東部ニューイングランド州を舞台に、実際
に当時あったとされる事象に基づいて映画化された作品。
登場するのは祈りを欠かさない敬虔なクリスチャンの一家。
夫婦と年頃の娘、長男と双子、そして赤ん坊の7人家族。そ
んな一家だったが、周辺住人との宗教観の違いが原因で入植
地を追い出されてしまう。
そしてやってきたのは原野広がる土地。そこで家を立て羊を
育てながらの暮らし始まる。ところが突然一番下の子の姿が
消える。それは狼の仕業か、それとも魔女の行為か。父親は
娘を魔女と疑い、疑心暗鬼が家族をバラバラにする。
新機軸のホラーと言う触れ込みのようだが、観客を瞬間驚か
せるより、じわじわと恐怖に陥れる感覚で、確かにこの感じ
は久しくなかったかもしれない。でもこれがホラーの本来の
形とも言えるものだ。
出演は、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』の2014年
作に出ていたというラルフ・エイネソンと、2012年7月紹介
『プロメテウス』に出ていたというケイト・ディッキー、そ
れに2017年3月紹介『スプリット』などのアニヤ・テイラー
=ジョイ。
他に、ハービー・スクリムショウ、ルーカス・ドースン、エ
リー・グレンガーといういずれもニューイングランド地方の
訛りを話せる子役たちが一家の子供たちを演じている。因に
この子役には、物語の性質上、保護者の説得が大変だったそ
うだ。
脚本と監督は、本作が長編デビュー作となるロバート・エガ
ースが担当した。なお次回作には『吸血鬼ノスフェラトゥ』
(1922)のリメイクへの抜擢が決まっているそうだ。
魔女というとヨーロッパを思い浮かべがちだが、最近はアメ
リカでの魔女伝説の話をやたら観るようになってきた。それ
はハリウッドがアメリカだから当然ではあるが、近年その研
究が進んでいることも理由になりそうだ。
本作も企画から完成までに5年以上が費やされたと言われ、
その間に脚本を執筆したエガースは徹底的な調査を行ったと
のこと。その成果はインディペンデンス・スピリット賞での
脚本賞・監督賞のW受賞に繋がっている。
その他にもサンダンス映画祭の監督賞など、数多くの受賞に
輝いている作品だ。
なおプレス資料に公開は7月22日よりと記載されているが、
上映館などは紹介されていなかった。
『ゴールド 金塊の行方』“Gold”
1995年に起きたカナダBre-X社による鉱山捏造事件を基に、
時代背景を1980年代に移してドラマ化した作品。
登場するのは祖父から3代続く探鉱師という家柄の男性。し
かし時代の流れは大企業有利に傾き始めている。そして親か
ら継いだ会社も倒産の危機にある。
そんな男が最後の勝負でインドネシアに向い、以前に巨大金
[5]続きを読む
05月07日(日)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ
[4]エンピツに戻る