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On the Production
by 井口健二
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■皆はこう呼んだ鋼鉄ジーク、こどもつかい、ラストコップ THE MOVIE
2017年3月19日題名紹介『バイオハザード:ヴェンデッタ』
の製作にも関るなど、次々に清水ブランドが発表されている
が、その中で本作は原点に還った作品と言えそうだ。
それはテーマが恨みによる呪いであり、さらにそこに過去の
因縁が関ると共に、ノスタルジーも感じさせる仕掛けなど、
正に王道のホラー作品と言えるものだ。そのホラームードが
一杯の雰囲気にまず嬉しくなった。
ただし過去の清水作品では、恨みなどのあまりの理不尽さが
怖さを増幅させる反面、納得できない側面もあったのだが。
それが本作では過去の経緯などがかなり丁寧に描かれ、納得
は出来たが、恐怖感という意味では少し薄れたかな?
でもこの点に関しては、最近の日本のSF映画と称する作品
の多くが、ムードが先行して納得できない作品ばかりなのに
対しては、良い傾向とも思えたものだ。
とまあグダグダと書いてしまったが、実は本作で滝沢が演じ
ているキャラクターに関して情報開示の規制がされており、
具体的に紹介をすることができない。でもこれが結構巧みに
演じられていて楽しめた。
しかもこれが、ジャニーズがここまでやっていいのか…?
と思うくらいに見事なキャラクターになっている。シリーズ
化も期待したい。
公開は6月17日より、全国ロードショウとなる。
『ラストコップ THE MOVIE』
2016年放送のドラマシリーズからの劇場版。元々はドイツの
テレビシリーズの舞台を日本に変えたリメイクで、2015年に
スペシャル番組が放送され、その後ネット配信で連続ドラマ
化、さらにそこからテレビシリーズが誕生したものとのこと
だ。それがキャストをそのままに劇場用の映画となった。
主人公は捜査活動中に爆発に巻き込まれ、以後30年間昏睡状
態が続いていたという刑事。そのため容姿は老けたが、気骨
は30年前の熱血刑事のままという設定だ。そんな刑事が猪突
猛進、難事件に挑んで行く。
そして今回のお話は、主人公の勤務する警察本部に、A.I.
が試験導入されるところから始まる。マザーコンピュータに
リンクした小型ロボット風のそのA.I.は、人間の行動を予
測し、犯人の逃走経路などを算出できるという。
しかし主人公にとってそんなA.I.は、理解の外となる典型
的なもの。斯くしてそのA.I.に対抗せざるを得なくなった
主人公たちだったが、そこに国家の基幹を揺るがす大事件が
発生する。
出演は、唐沢寿明、窪田正孝。それに佐々木希、藤木直人、
小日向文世、宮川一朗太、田山涼成、伊藤沙莉、升毅、マギ
ーらテレビシリーズの面々が総登場する。さらに加藤雅也、
吉沢亮らが今回のゲスト出演のようだ。
脚本と監督は共にテレビシリーズも手掛けているコンビで、
脚本は2012年2月紹介『幸運の壺』などの佐藤友治、監督は
2010年4月紹介『書道ガールズ』などの猪股隆一が担当。因
に佐藤は1人で全脚本を担当しているようだ。
A.I.の具現化とされるフナッシー様小型ロボットのVFX
が良くて、合成なども見事だった。そう言えば、猪股監督は
以前の紹介作でもVFXを使いこなしていたから、その辺は
手馴れているのだろう。
さらに銃撃戦や格闘技アクションなどもふんだんに織り込ま
れている。またそこに突拍子もない発明品が登場するのもご
愛嬌という感じで、それらもそれなりに展開には収まってい
た。しかも大掛かりな空中戦まで登場する。
ということで劇場用にスケールアップした作品と言えそうだ
が…。実は今回の作品では、せっかくのA.I.が物語の後半
ではあまり活かされていないのが多少物足りない。これでは
ただの奪い合いの対象物にしかなっていないのだ。
ここにはやはり主人公とA.I.の連係プレイみたいなものが
欲しかったところかな。その辺を少し脚本で練り込んでくれ
たらより良くなったと思えるのだが。
公開は5月3日より、全国ロードショウとなる。
この週は他に
『フィフティ・シェイズ・ダーカー』
“Fifty Shades Darker”
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04月16日(日)
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