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On the Production
by 井口健二
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■サクラダリセット前編/後編、バーフバリ伝説誕生、ジャッキー ファーストレディ 最後の使命
は瀧の登頂に挑み続け、遂にその想いを達成する。そこには
暴君に反抗する民がおり、若者は彼らと共に行動する。
そこは50年前までは平和な王国だったが、先王の死後の家督
争いで本来の皇太子が殺され、その息子も行方不明となって
いた。そこに蛮族の侵入も重なって遂には横暴な支配者が国
民を戦いに駆り立てる国家になっていたのだ。
その戦いの渦中に飛び込んだ主人公だったが…。
出演は、ラージャマウリ監督とは2005年以来2度目の顔合わ
せというプラバース、俳優になる以前はVFXコーディネー
ターなども務めたというラーナー・ダッグバーティ、モデル
なども務めてインドのファッションアイコン的存在とされる
タマンナー。
他に2011年『神さまがくれた娘』などのアヌシュカ・シェッ
ティ、ラムヤ・クリシュナ、2016年『チャーリー Charlie』
などのナーサル、2014年『チェンナイ・エクスプレス』など
のサティヤラージらが共演している。
また全編を彩るVFXの制作にはILMや、2012年12月紹介
『ライフ・オブ・パイ』を手掛けたリズム&ヒューズなど、
世界5カ国16社から600人を超えるスタッフが結集したとの
ことだ。
そのVFXでは巻頭から圧倒されるような景観が登場して、
それは見事な映像になっている。ただし物語の展開が、主人
公にとっての現在と25年前と50年前とが交錯し、さらに主人
公と父親を同じ俳優が演じているのが多少ややこしい。
でもまあその辺は徐々に判ってはくるのだが…。実は本作は
2部作の前編で、その終り方もあまりに強烈なのだ。クリフ
ハンガーは連続ものでは常套手段ではあるが、まさかここで
終るとは…。
実際に2部作であることを知らずに観た人たちは唖然として
いたようだ。幸い僕は2部作を心得ていたが、それでもまさ
かここで終るとは思っていなかった。これは本当に後編が待
ち遠しくなる展開だ。
公開は4月8日より、東京は新宿ピカデリー、大阪はなんば
パークスシネマ他で全国順次ロードショウ。
因に後編はインドで4月公開予定となっている。

『ジャッキー ファーストレディ 最後の使命』“Jackie”
1963年11月22日日本時間32時30分に起きたケネディ、アメ
リカ大統領暗殺事件と、その後のジャクリーン・ケネディの
姿を追ったドラマ作品。
この日のことはよく覚えている。この日は、翌年に開催され
る東京オリンピックに向けての日米間初の衛星テレビ中継が
行われることになっており、僕は早朝からテレビを点けてそ
の画面を見ていたのだ。
そこに飛び込んできたのが大統領が狙撃されたらしいという
第1報だった。当時中学生だった僕にとって、史上最年少で
アメリカ大統領になったケネディは英雄であり、その英雄を
襲った悲劇に呆然としたものだ。
僕にはそんな思い出もある出来事だが、本作では僕の予想を
覆す真実が描かれる。それは当時のケネディが政治的な実績
もなく再選すら覚束ない状況で、ダラスでのパレードも人気
稼ぎだけのものだったということだ。
そして映画の中ではロバート・ケネディの台詞として「実績
と言えるのはキューバ危機の回避だけで、しかもそれはソ連
邦との対立を煽り、今思えばやるべきではなかった」とまで
言われてしまう。
確かにそれは、その後のヴェトナム戦争の泥沼にアメリカを
引き摺り込む原因になったともされているものだ。こうした
ジョン・Fの人気のなさの中でのジャッキーの採った行動が
描かれている。
出演は、本作でオスカー候補になっているナタリー・ポート
マン。他に、ピーター・サースガード、2016年11月27日題名
紹介『マギーズ・プラン 幸せのあとしまつ』などのグレタ
・ガーウィグ、2004年1月紹介『ビッグ・フィッシュ』など
のビリー・クラダップ、今年1月他界したジョン・ハートら
が脇を固めている。
監督は、2012年10月28日付「第25回東京国際映画祭」で紹
介『NO』などのパブロ・ラライン、脚本は2014年『メイズ
・ランナー』などのノア・オッペンハイム。製作はダーレン
・アロノフスキーが担当した。

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02月12日(日)
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