ID:47635
On the Production
by 井口健二
[459779hit]

■3月のライオン前編/後編
通り魔強盗の場面。しかし犯人の男は警察の目を掻い潜り、
逃走の果てに辿り着いた山間の村で、老婆の孫と間違われて
一緒に暮らすことになるが…。出演は林遣都、市原悦子と、
2016年9月紹介『デスノート』などの藤井美菜。脚本と監督
は助監督として多くの作品に関り、本作でデビューを飾った
東伸児。特異なシチュエーションだが、さすが直木賞作家の
原作という感じで違和感のない物語が展開される。主演の林
の変貌ぶりも見事だった。公開は3月、シネスイッチ銀座他
で全国ロードショウ。)
『ミス・サイゴン 25周年記念公演 in ロンドン』
    “Miss Saigon: 25th Anniversary Performance”
(日本でも人気を博したミュージカルの記念公演の舞台と、
その初演時のキャストが登場するフィナーレの模様を撮影し
た作品。物語は戦争末期のサイゴンを舞台に、欲望や打算の
渦巻く中で純粋に米兵を愛したベトナム人女性の悲劇が描か
れる。僕はオリジナルの舞台は観ていないが、2012年11月紹
介『ナンバーテン・ブルース』などが既視感を呼んだ。時代
をよく捉えた作品なのだろう。そしてSF映画ファンには、
初演時キャストで登場するジョナサン・プライスが嬉しい。
言うまでもなく1986年『未来世紀ブラジル』の主演が記憶に
残る俳優だが、その後に本作でミュージカルの初進出したそ
うで、その思い出話しも面白かった。公開は3月10日より、
東京はTOHOシネマズ日劇他で全国ロードショウ。)
『サラエヴォの銃声』“Smrt u Sarajevu”
(2016年12月紹介『汚れたミルク』のダニス・タノヴィチ監
督による2016年の作品。第1次世界大戦の切っ掛けとなった
1914年の皇太子暗殺事件。その100周年に上演された舞台劇
『ホテル・ヨーロッパ』を基に、事件を再検証しようとする
テレビクルーと、その撮影が行われているホテルで進む労組
のストライキ、さらにそれを阻止しようとする経営陣の姿が
多角的に描かれる。描かれる内容は現在の東欧の現実が反映
されているということだが、正直に言って経営陣の高圧的な
やり方には、これが現実なら何と恐ろしい国なのか思わせら
れる。でもまあその通りなのだろう。公開は3月25日より、
東京は新宿シネマカリテ他で、3月4日からの『汚れたミル
ク』に続けて全国順次ロードショウ。)
『モアナと伝説の海』“Moana”
(南海の島々を舞台に、世界を暗黒に包もうとする敵と戦う
少女の冒険を描いたディズニーアニメーション。少女が暮ら
すのはサンゴ礁の湾に臨む村。サンゴ礁の外は危険な荒海だ
が、内側は穏やかで魚も豊富だった。そして少女の家は代々
村長の家系で、そんな少女は海からも愛される存在だった。
しかしその村に異変が起きる。湾内から魚影が消え、育てた
ヤシの実も内部が腐っていた。その危機から村を守るため、
少女は外海を越える冒険へと旅立つ。本作で特筆したいのは
物語に色恋沙汰がないことだろう。その点では不満に感じる
評論家も多いようだが、これもエンターテインメントの一形
態な訳で、純粋な冒険物語を描いた点を僕は敢えて評価した
い。公開は3月10日より、全国ロードショウ。)
『第3の愛』“第三種愛情”
(2010年11月紹介『戦火の中へ』などのイ・ジェハン監督が
2016年7月紹介『ミスワイフ』などのソン・スンホンと共に
中国映画界に進出し、スタンフォード大学卒業の中国人女優
リウ・イーフェイと作り上げた恋愛映画。主人公は小さな法
律事務所に勤める女弁護士。そんな彼女が強引な経営で知ら
れる企業の御曹司を知り合い、その顧問弁護士の座も射止め
るが…。原作は中国で1000万人以上の読者を持つという人気
女流作家・自由走行によるベストセラー小説に基づくそうだ
が。身分は違うが相思相愛、でもその恋が成就できない…。
正に韓国恋愛映画という物語が展開される。公開は4月1日
より、東京はシネマート新宿、大阪はシネマート心斎橋他で
全国ロードショウ。)
『素晴らしきかな、人生』“Collateral Beauty”
(ウィル・スミス、エドワード・ノートン、ケイト・ウィン

[5]続きを読む

01月22日(日)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ

[4]エンピツに戻る