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On the Production
by 井口健二
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■ドラゴン×マッハ!、ロスト・レジェンド 失われた棺の謎、人魚姫
出演は、2014年6月紹介『ライズ・オブ・シードラゴン 謎
の鉄の爪』でも共演のチェン・クンとアンジェラベイビー。
それに2012年8月紹介『ハーバー・クライシス』などのホァ
ン・ボー。さらに2008年12月紹介『ブラッド・ブラザーズ』
などのスー・チー。中国映画期待の若手が勢揃いだ。
監督は、2012年7月紹介『画皮』の続編で2013年公開『妖魔
伝』などのウー・アールシャンが担当した。
物語は『インディ・ジョーンズ』か『トゥームレイダー』と
いった感じだが、そこに中国の古代史から近代の下放政策ま
で関ってくるというのは流石というところだ。ただまあ近代
のところをあまり突くといろいろ問題も起こりそうで、その
辺はほどほどなのかな。案外シビアにも感じるが。
因に『インディ・ジョーンズ』だとナチスの動きが関るが、
本作にもちゃんと日本軍が登場するのは偉いというか、それ
なりなのだろう。
それに加えて墓を守っているいろいろな仕掛けや、さらには
墓が発動する妖術など、いろいろな要素が華麗なアクション
やVFXも駆使して正にサーヴィス満点のてんこ盛りで描か
れている。
これぞエンターテインメントという感じの作品だ。
公開は1月7日より、シネマート新宿、シネマート心斎橋他
にて、全国順次ロードショウとなる。
『人魚姫』“美人魚”
2002年6月紹介『少林サッカー』や2008年3月紹介『ミラク
ル7号』などのチャウ・シンチー監督が、再度挑戦したファ
ンタシー・コメディ。
物語の背景は、観光開発の進む中国の沿岸部。そこで地元出
身の成り上がり者が新たな利権を獲得する。それはイルカの
生息地とされる保護区域を大掛かりに埋め立てるものだ。そ
れにはイルカを追い払う悪辣な手段が隠されていた。
ところがその海域は、実は人魚たちが隠れ住む場所で、その
計画を知った人魚たちは、権利を獲得した成り上がり者の暗
殺を計画する。そこで女性の人魚が苦労して人間に変装し、
成り上がり者を誘惑して誘き寄せることに成功するが…。
出演は、2008年10月紹介『戦場のレクイエム』や2012年4月
紹介『王朝の陰謀』などのダン・チャオ、監督の秘蔵っ子グ
ループ《星ガール》の一員で本作が映画デビュー作のリン・
ユン。同じく《星ガール》の一員で『ミラクル7号』などの
キティ・チャン。それに“SHOW”名義で日本デビューもして
いる台湾出身のショウ・ルオ。
邦題は誤解を呼びそうだが、本作は原題を見れば判る通りに
『リトル・マーメイド』の翻案ではない。しかし巧みにその
流れを踏襲しているのが、脚本も手掛けるチャウ・シンチー
らしさとも言えそうな作品だ。
しかも映画に登場する大掛かり且つ水気たっぷりのセットに
は、1985年公開『グーニーズ』のような趣もあって、その遊
園地のような雰囲気も素敵な作品だった。しかも本作では、
そのセットの中でチャウ・シンチー本領発揮のアクションが
展開されるものだ。
因に『グーニーズ』に関しては7月3日付題名紹介『ヤング
・アダルト・ニューヨーク』では若い映画人が知らない設定に
ショックを受けたが、先日のテレビ番組でジャニーズ「嵐」
のメムバーが普通に題名を挙げてくれて嬉しかった。そんな
作品へのオマージュも感じられた。
巻頭には、監督の悪い癖とも言えるちょっと社会派ぶった映
像もあるが、全体は面倒なことは言わずに、ファミリーピク
チャーとして存分に楽しめる作品になっている。
公開は1月7日より、シネマート新宿、シネマート心斎橋他
にて、全国順次ロードショウとなる。
なお今回紹介の3作品は、いずれも「2017 冬の香港・中国
エンターテイメント映画まつり」として上映される。
この週は他に
『グリーンルーム』“Green Room”
(売れないパンクバンドがようやく出演したステージ。しか
しそこはカルト集団の巣窟だった。そして凶悪な事件に巻き
込まれる。アントン・イェルチンとパトリック・スチュアー
トの共演というトレッキーには夢のような作品だが、かなり
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11月20日(日)
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