ID:47635
On the Production
by 井口健二
[459842hit]
■BFG、ジャングル・ブック、お元気ですか?
り始めるが…。
出演は、モーグリ役に約2000人のオーディションで選ばれた
ニール・セディの他は全てCGIという作品だが、その声優
には、ベン・キングズレー、ビル・マーレイ、イドリス・エ
ルバ、ルピタ・ニョンゴ、クリストファー・ウォーケン、ス
カーレット・ヨハンソンら錚々たる顔ぶれが並んでいる。
また吹替版でも、松本幸四郎、西田敏行、宮沢りえ、伊勢谷
友介らが声優を担当し、特に宮沢は前回紹介の『湯を沸かす
ほどの熱い愛』と併せると中々の感慨も覚えるものだ。
脚本は2009年2月紹介『ストリートファイター/レジェンド
・オブ・チュンリー』などのジャスティン・マーカス、監督
は2005年11月紹介『ザスーラ』などのジョン・ファヴローが
担当した。
というところで3D版を観直しての感想だが、実は本作の撮
影(と言ってもモーグリのシーンの撮影だが)にはARRIRAW
(3.4K) (dual-strip 3-D) という3Dの撮影システムが使用
されており、後付けではない3Dの迫力が伝わってくる。
それは他のキャラクターや背景などのCGIのシーンにも良
い影響を与えて、全体で近年ではベストと言える3D映像が
作り出されている。3D映画の最高峰が『アバター』である
ことは間違いないが、本作はそれに匹敵する。
この作品は3Dで観てこそ価値のある作品と言えるだろう。
また音楽では1967年版に最大の敬意が評されており、1967年
版でオスカー候補になった「ザ・ベアー・ネセシティ」や、
「君のようになりたい」「信じて欲しい」などの楽曲が新た
なイメージで作品を彩っている。
特に「信じて欲しい」は、ヨハンソンの歌声が吹替版のエン
ディングでも聞けるのが嬉しいところだ。
公開は8月11日より、3D/2D、IMAX-3D、4DXで全国
ロードショウとなる。
『お元気ですか?』
2016年1月紹介『復讐したい』などの室賀厚監督が、1990年
版『櫻の園』で女優デビューの宮澤美保を主演に迎えたドラ
マ作品。
登場するのは1人の女性。彼女は携帯電話で次々に電話を掛
け続けている。それは辞めたばかりの元の職場の店長や、小
学校の恩師、学生時代の悪友など。そんな彼女が山道でドラ
イヴに来ていた医大生のカップルに声を掛けられる。
そのカップルの姿に少し顔を曇らせる彼女だったが、2人の
誘いで次の目的地まで車で送って貰うことになる。そしてそ
の後も電話を掛け続ける彼女だったが、そんな彼女が10人目
に掛けた相手は…。
共演は、室賀監督の2013年作品『6月6日』にも出演の丸山
隼人と加藤藍子。他に『6月6日』に出演の田中俊、子役の
筧礼らが脇を固め、さらに菅田俊、長谷直美らがカメオ出演
している。
室賀監督は、元々はアクション映画が専門のようだが、僕は
上記の『復讐したい』の紹介でもドラマ部分を評価していた
ものだ。本作はそんな監督が脚本も手掛け、真っ向から人間
ドラマに挑んだ作品と言える。
その内容は、まあ映画を観馴れた者には作品の前半の内から
結末まで見通せるものだが、その展開は悪くないし、予想の
通りに進むことが心地良くも感じる作品だった。特に結末は
少しSF的なイメージも湧かせてくれた。
テーマ的には、僕は普段なら否定的な評価を下すものだが、
本作の場合は結末が見えている分、否定的な要素には繋がら
なかったし、それもベテラン監督の計算ずくなのかなとも思
えてきた。
いずれにしても、殺伐とした映画が多い中で、将来に希望を
持たせてくれる作品は積極的に評価したくなるものだ。
公開は10月15日より、東京は渋谷ユーロスペース他で、全国
順次ロードショウとなる。
因に本作の製作配給は、KOMピクチャーズとされているも
のだが、これはアクション映画監督の柏原寛司、大川俊道、
室賀厚の3人が設立した会社とのこと。同社では2008年製作
『STRAIGHT TO HEAVEN』と上記の『6月6日』に続く第3作
となるそうだ。
この週は他に
『過激派オペラ』
(2009年2月紹介『非女子図鑑』の中で「魁!!みっちゃん」
[5]続きを読む
08月07日(日)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ
[4]エンピツに戻る