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On the Production
by 井口健二
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■インターン!、幸福のアリバイ Picture、スタートライン
『インターン!』
2007年12月紹介『東京少女』などのBS-TBS(旧BS-i)製作・
配給によるちょっとファンタシーの要素もあるドラマ作品。
主人公は就活中(?)の女子大生。まだ先の目標が定められ
ていない状態の彼女が女友達に誘われてIT企業のセミナー
に参加。しかもその友達のせいでインターンシップにも応募
してしまう。
ところがセミナーの終了後、会場の外でぼんやりして自動車
に轢かれそうになった彼女は、咄嗟に飛び出してきた企業の
経営者に救われる。しかし代わりにその経営者が意識不明に
なってしまう。
一方、その経営者は病室で目を覚ますが、そこには死神と名
告る見た目は若者の男が現れていた。その死神は経営者が間
違って死んだと告げ、その間違いを正すには助けた彼女に死
をもたらすしかないと告げるが…。
そんなことができるはずもない経営者は、2人とも助かる道
を模索。そして彼女の運命が変わるような出来事を起こせば
2人の未来に道が開けると知り、インターンシップを利用し
て彼女の運命を変えようと考える。
出演は、2013年8月紹介『スクールガール・コンプレックス
−放送部篇−』などの新木優子、2009年2月紹介『ヤッター
マン』などの岡本杏理。さらに「仮面ライダー鎧武」の佐野
岳、風間トオルらが脇を固めている。
脚本はハロプロの舞台なども手掛ける劇団「散歩道楽」主宰
の太田善也、監督はTBSテレビ制作局制作センタードラマ
制作部所属の吉田秋生が担当した。
前々回紹介『ミスワイフ』と同様の生者と死者の入れ替わり
がテーマで最近の流行りかなとも思うが、脚本家の太田には
「リボーン〜命のオーディション〜」何て作品もあるようだ
から、それなりの想いもあるのかもしれない。
一方、監督の吉田は『怪談新耳袋』などを継続的に手掛けて
いるようだから、その方面が指向なのかな? まあでもその
程度ということもできる。いずれにしても以前のアイドル路
線というほどではないが、ファン向けの作品だ。
ただ、経営者を死の淵に立たせた人物にインターンシップな
んて、何と太っ腹な企業かとも思うし、そのインターンシッ
プの課題をもう少し描き込めばそれなりのドラマにもなった
と思うが、それは荷が重かったかな。
ただまあ、頑張っている人にはもっと頑張れというエールを
贈るような作品にはなっていた感じだ。
公開は11月5日より、東京はシネ・リーブル池袋他で、全国
ロードショウとなる。

『幸福のアリバイ Picture』
俳優の陣内孝則が9年ぶりに監督を務めた第3作で、陣内の
原案を基に人生の節目である冠婚葬祭をテーマに描いたオム
ニバス形式のコメディ作品。
最初は葬式。遺影の前で訳アリらしい2人の男が酒を酌み交
わしており、そこに葬儀屋が相談にやってくる。それは遺族
間のもめ事に起因しているらしいが、そこに大物の弔問客が
来て話しが紛糾し始める。
初っ端からかなり強烈な話が展開して、これはやるなと思わ
せた。そしてその後も見合いに成人式、子供の誕生に結婚式
と、各々は普通の出来事なのだが、それぞれがちょっと尋常
でないシチュエーションの物語が展開されて行く。
それはファンタシーと言えるようなものではないが、多少は
その雰囲気も感じられるかな? そんな作品に仕上げられて
いた。
出演は、中井貴一、柳葉敏郎、大地康雄、山崎樹範、浅利陽
介、木南晴夏、渡辺大、佐藤二朗、木村多江。因に陣内本人
の出演はなかった?ようだ。
脚本は陣内の原案に基づくものだが、それを2012年『桐島、
部活やめるってよ』から、昨年は『幕が上がる』と『ストレ
イヤーズ・クロニクル』、今年は『ディストラクション・ベ
イビーズ』などを手掛ける喜安浩平が執筆。
実は上記の作品は全て試写を観ているが、それぞれは優れた
作品と認めるものの、何か自分の中でしっくりこなかった。
それは全体的にドライで、主人公の内面を敢えて描かないよ
うにしている、そんな感覚が好きになれなかった。
一方、陣内の監督作品はたぶんデビュー作は観たはずだが、

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08月14日(日)
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