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On the Production
by 井口健二
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■ウィー・アー・ユア・フレンズ、シアター・プノンペン
が…。一方、上映を行っていた監督(?)も、若きにの女優に
生き写しの主人公に思いを巡らせる。
ポル・ポト政権時代の悲劇については1985年のオスカー助演
男優賞などを受賞した『キリング・フィールド』でも描かれ
ていたが、その後の内戦も含む人々への影響は描き尽されて
はいなかった。
そんな政権が行う恐怖を、別の角度から見事に描いた作品と
も言えるだろう。今年4月紹介『トランボ』も背景は違うが
同等の恐怖を描いたもので、文化の大きな担い手である映画
はこの様な恐怖に襲われる可能性は高いのだ。
とは言え本作では、その恐怖を少し別に視点から描いたもの
で、それは巧みな作劇と言えるものにもなっている。特に映
画の失われたリールを探すというテーマは、映画好きにとっ
てはロマンを掻き立てられるものだ。
さらに映画製作の裏側など、様々な要素が見事に重ね合わさ
れた作品にもなっている。そしてエンディングロールに登場
する映像は、強烈なメッセージとなって観客の胸に突き刺さ
るものだ。
主演は、1992年のオスカー外国語映画賞を受賞した『インド
シナ』に出ているそうだが本作が本格的なデビュー作となる
マー・リネット。共演には実際にポル・ポト時代を体験した
ソク・ソトゥンとディ・サヴェット。それに若手のトゥン・
ソーピー、ルオ・モニーらが脇を固めている。
脚本と監督は、2001年『トゥームレイダー』などのライン・
プロデューサーも務めたソト・クォーリーカー。脚本は元は
カンボジア在住のイギリス人イアン・マスターズが執筆した
ものだが、カンボジア人の視点に合わせて加筆したそうだ。
公開は7月2日〜7月29日に、東京は岩波ホールにてロード
ショウとなる。
この週は他に
『二重生活』
(直木賞作家小池真理子による「理由なき尾行」という異色
テーマの原作を、テレビ作品で数多くの受賞に輝く演出家の
岸善幸が初の劇映画作品として脚色・監督した作品。主演は
2016年1月紹介『太陽』などの門脇麦。)
『超高速!参勤交代リターンズ』
(一昨年公開された作品の続編。前作では解決策などに少し
物足りない感じがしたが、本作では人間模様などもしっかり
描き込まれて満足できた。何より物語が本当にリターンズな
のが良い。)
『夢二〜愛のとばしり〜』
(大正ロマンの代表とも言える画家・詩人竹久夢二の奔放な
生活ぶりを描いた作品。同種の作品では2011年11月紹介の作
品もあるが、敢えてそれに挑戦した心意気を買いたい。夢二
を駿河太郎、彦野を小宮有紗が演じる。)
『疑惑のチャンピオン』“The Program”
(ツール・ド・フランス7連覇を果たしたものの、ドーピン
グに関ったとされて、その名誉をはく奪されたアスリートを
描いた作品。作品では選手個人の問題ではないようにも描い
ているが、それを深く追及できないのが歯痒い。)
『いしぶみ』
(松山善三演出、杉村春子の朗読で1965年に放送され、その
年の芸術祭優秀賞やギャラクシー賞などを受賞した放送番組
『碑』を、是枝裕和監督、綾瀬はるかの朗読でリメイクした
作品。とにかく見事としか言いようのない作品だ。)
『暗殺』“암살”
(日本に併合された第2次世界大戦中における韓国臨時政府
の動きを描いた作品。作品的には一部歴史的事実も踏まえた
フィクションだが、当然あったと思える話が巧みに展開され
る。日本人としていろいろ考えさせられた。)
を観たが全部は紹介できなかった。申し訳ない。
05月29日(日)
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