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On the Production
by 井口健二
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■アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅、ハイ・ライズ、天国からの奇跡
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※このページでは、試写で観せてもらった映画の中から、※
※僕に書く事があると思う作品を選んで紹介しています。※
※なお、文中物語に関る部分は伏字にしておきますので、※
※読まれる方は左クリックドラッグで反転してください。※
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『アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅』
          “Alice Through the Looking Glass”
2010年3月紹介『アリス・イン・ワンダーランド』の続編。
前作の最後で新たなる冒険の旅を目指したアリスが、その旅
から戻ってきてのお話。
父親の後を継いで貿易船の船長となったアリスは、辛くも海
賊の襲撃を交わして中国から帰ってくる。しかし待っていた
のは、新社長からの解雇通告。それは老いた母の住む屋敷を
取るか、父の愛した船を取るかの選択だった。
そして乗り込んだ新社長のパーティで居たたまれなくなった
アリスは、1羽の蝶に誘われ暖炉の上の鏡を抜けて不思議の
国へと帰還する。ところがそこではマッドハッタ―が哀しみ
の底に沈んでいた。
その哀しみの元を断つためアリスは、時の守護者の許を訪ね
過去へと旅立つ。それはマッドハッターだけでなく、彼女自
身やその他の不思議の国の住人たちの心をも救う旅となる。
出演は前作から引き続いてのミア・ワシコウスカ、ジョニー
・デップ、アン・ハサウェイ、ヘレナ・ボナム・カーターに
加えて、2012年12月紹介『レ・ミゼラブル』などのサッシャ
・バロン・コーエンが新たな役柄で登場する。
また声の出演では、今年1月に他界したアラン・リックマン
に特別な献辞が贈られていた。
脚本は前作と同じくリンダ・ウールバートン。監督はティム
・バートンに代って、2012年4月紹介『ザ・マペッツ』及び
2014年8月紹介『ザ・マペッツ2/ワールド・ツアー』を手
掛けたジェームズ・ボビンが担当している。
お話は前作の続きとして新たに創作されており、原題に痕跡
の残るルイス・キャロルの原作からは想像もつかない代物に
なっている。でもまあ前作も原作からは相当かけ離れていた
から、それは仕方のないところだろう。
取り敢えず時間を扱った冒険物語としては、それなりに工夫
もされた巧みな作品にはなっている。しかも友情や家族愛な
どの映画に盛り込まれたテーマは、原作にはない情感を与え
る作品にはなっていた。
それで先に原作からは想像もつかないと書いたが、実は最初
にアリスが鏡を抜けるシーンだけは原作の挿絵を完璧に再現
していて、これは原作へのリスペクトと言うか、ファンへの
お詫びのしるしといった感じだ。
僕はこれだけでこの作品を認めることにした。
公開は7月1日より、2D/3Dにて全国ロードショウとな
る。なお僕は2Dでの試写を観たが、3Dではいろいろな仕
掛けもありそうだ。

『ハイ・ライズ』“High-Rise”
1960年代にイギリスで始まったSFニュー・ウェーヴ運動。
その旗手の1人とされたJ・G・バラードが1975年に発表し
た長編小説の映画化。
舞台は1975年のイギリス。ロンドン郊外に建つ高層アパート
の25階に1人の医師が引っ越して来る。そのアパートの入居
者は俳優やモデルなどいわゆるセレブ達で、彼らは毎夜パー
ティを開いて狂乱に明け暮れていた。
そんな中で主人公は、アパートの最上階に暮らすその建物の
コンセプトを考案した建築家にも気に入られ、優雅な生活を
満喫していたが…。ある日、彼は住む階の高低による差別の
あることを聞かされる。
そして思いもよらぬ停電が起きた時から、住人たちの関係が
変化し始め、それは重大な事態へと発展して行く。
出演は、2013年12月紹介『マイティ・ソー』などのロキ役ト
ム・ヒドルストン、2013年11月紹介『ビューティフル・クリ
ーチャーズ』などのジェレミー・アイアンズ、2014年12月紹
介『ホビット・決戦のゆくえ』などのルーク・エヴァンス。
他に、2006年3月紹介『カサノバ』などのシエナ・ミラー、

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05月22日(日)
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