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On the Production
by 井口健二
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■さとにきたらええやん、冬冬の夏休み
1990年に日本公開された作品は、実はその頃にも見ていたは
ずだが、その当時はあまり気にしなかった言葉が今回は気に
なったもので、多分それは物語が自分の子供時代にマッチし
過ぎていたことと現実の時代とのギャップだったのかもしれ
ない。それが以前には気にならなかった。
それにしても、ここに描かれる世界は見事に僕自身にとって
の1960年当時の思い出なのであって、それが台湾の1980年で
あったとしても全く気にならない、そんな思いで観終えてし
まえる作品だ。それは3つの時代に跨っての全く不思議な体
験でもあった。
出演は王啓光と李淑ヘ。因に、王啓光に関しては資料が見つ
からなかったが、李淑ヘは後に金馬獎なども受賞して現在も
台湾のテレビなどで活躍しているようだ。他に侯孝賢監督作
品の常連となる梅芳や、映画監督の楊桴ケらが脇を固めてい
る。楊桴ケは本作の音楽も担当。
全ての世代の人に通用するかどうかは判らないが、少なくと
も僕と同じ団塊世代には共感が呼べるのではないのかな。そ
うでなくても、中で起きるいろいろな出来事にはそれぞれ共
感や納得の出来るものも多く取り揃えられているし、それぞ
れが面白くも観られる作品だ。
公開は5月21日より、東京は渋谷ユーロスペース他で、全国
順次ロードショウとなる。
この週は他に
『GARMWARS』
『アウトバーン』“Collide”
『ダークプレイス』“Dark Places”
『クリーピー』
『葛城事件』
『王の運命(さだめ) 歴史を変えた八日間』“사도”
『森山中教習所』
『日本で一番悪い奴ら』
『幸福は日々の中に。』
を観たが全部は紹介できなかった。申し訳ない。
04月10日(日)
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