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On the Production
by 井口健二
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■ドロメ、見えない目撃者、ヒメアノ〜ル、シェーン
出演は、中国では「ドラマの女王」と呼ばれているというヤ
ン・ミーと、男性音楽グループEXO/EXO-Mでリードヴォーカ
ルを務めるルハン。
他に、2013年10月26日付「東京国際映画祭」で紹介『オルド
ス警察日記』の演技で映画祭の最優秀男優賞を受賞したワン
・ジンチェン、2012年ロウ・イエ監督『二重生活』のチュー
・ヤーウェンらが脇を固めている。
実は韓国版のオリジナルには観ている記憶があって、今回は
手元のデータを検索したのだが、何故か記録が全く残ってい
なかった。でも何となく話がごちゃごちゃしていて、あまり
良い印象ではなかったという思いもある。
そんな印象からすると本作は、話もすっきりしていて、特に
姉弟の関係や犯人の行動が理解し易く、映画に入り易かった
という感じがした。監督も同じ題材を2度目なら、それなり
に整理もされたというところかな。
と言っても僕の印象だけなので、元々こういう脚本だったの
かもしれない。
ただ後半のシーンにはもう少し暗闇感が欲しい感じもして、
その辺ではオードリー・ヘップバーン主演、テレンス・ヤン
グ監督の『暗くなるまで待って』(1967年)を思い出したりも
していたものだ。
公開は4月1日より、東京はTOHOシネマズ新宿、日本橋他で
全国順次ロードショウとなる。
『ヒメアノ〜ル』
「行け!稲中卓球部」で1996年度の講談社漫画賞を受賞した
古谷実が2008年から発表した原作を、2010年3月紹介『さん
かく』などの𠮷田恵輔監督が、ジャニーズV6の森田剛と濱
田岳を主演に向かえて映画化した作品。
濱田が演じる主人公は清掃会社のパート社員。そんな主人公
が職場の先輩から「行きつけのカフェのウェイトレスに恋を
した」と告げられる。そしてその恋のキューピットを頼まれ
た主人公は、先輩と共にそのカフェに通い始める。
そこで主人公は同じウェイトレスを見つめる男性の姿に気付
く。それは主人公の高校での同級生だった。そしてウェイト
レスからその男性が現れてから周囲で変な事が起きていると
聞かされた主人公はその相談に乗ることになるが…。
それは驚愕の事件の始まりだった。
共演は、2014年2月紹介『クジラのいた夏』などの佐津川愛
美、2009年8月紹介『大洗にも星はふるなり』などのムロツ
ヨシ。他に、2012年3月紹介『サイタマノラッパー』などの
駒木根隆介、2013年10月紹介『楽隊のうさぎ』などの山田真
歩。さらに大竹まことらが脇を固めている。
試写の後で観ていた知り合い同士で顔を見合わせ、「これは
大丈夫なのか?」と話し合った。それほどの問題作と言って
過言ではない作品。特に森田の鬼気迫る演技は、ジャニーズ
にこれが許されるのか? というほどのものだ。
因に製作者欄には藤島ジュリーK.の名前も並んでいるから、
正にジャニーズお墨付きの作品だが、これをやらせた側の勇
気も相当のものと思える作品になってる。正しく問題作と言
えるだろう。
その一方で、本作はいじめの問題も真剣に描き切っており、
その苦しみやそれが引き起こす結末に関しても、問題意識を
持って描いているように思える。それは生半可なものではな
く、正しく真剣に捉えられている。
正直に言っていじめの問題は、今までにも数多くの映画作品
で描かれてきたが、そのほとんどが興味本位というか、真に
痛みを分かち合った作品ではなかった。それが本作では過激
に描かれた分だけ、逆に深層に迫ったようにも感じた。
しかもそれがジャニーズのアイドルによって描かれている点
にも注目するべきなのだろう。これでは無関心ではいられな
くなる。この作品を世に送り出した勇気にも賛辞を贈りたい
ものだ。
公開は5月28日より、全国ロードショウとなる。
『シェーン』“Shane”
1953年製作の西部劇の名作がディジタルリマスターされ、封
切り時さながらの画質で再公開されることになった。
物語は今更紹介するまでもないかもしれないが、元から居た
牧場主の横暴に苦しむ開拓者の家に流れ者の男が現れる。そ
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02月21日(日)
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